
阪堺電軌は3月29日、営業運転で使われている電車では国内最古のモ161形電車モ161号について、クラウドファンディングで大規模修繕すると発表した。
修繕するのは乗降口扉の新製と取替(全8枚)。外板修理と塗装更新も行う。クラウドファンディングで748万円を調達することを目指すが、支援金額が目標に達しない場合でも修繕計画は実施する。
募集期間は6月25日の23時まで。クラウドファンディングサイト「READFOR」で受け付けている。プロジェクト名は「百寿まであと7年。『モ161号』動態保存にむけて大規模修繕 工事を」。3月30日17時17分の時点で支援総額は176万9000円に上っている。
モ161号は1928年に運行開始。すでに90年以上が経過しており、営業運転を行っている電車では国内最古だ。2011年、阪堺電軌が運営する阪堺線の開業100周年を記念して1965年当時の姿に復元改造され、現在はおもに貸切電車として運用されている。
阪堺電軌によると、前回の改造から10年が経過。鉄と木材を併用した半鋼車のため、木製部分を中心に腐食が非常に進んでいる。今後も維持するためには早期の大規模修繕が必要だ。
阪堺電軌は「本来であれば自社費用で施工するべき」としつつ、昨年2020年から続く新型コロナウイルス感染症の影響で業績が悪化。改造費の全額を捻出することが困難だとして、クラウドファンディングを活用することにしたという。
計画通り修繕され、今後も引き続き営業運転されれば、残り7年で運転開始から100年を迎えることになる。