JR東日本・京成電鉄・成田空港高速鉄道の3社は2月26日、成田空港第1旅客ターミナルビルに鉄道が直接乗り入れてから30周年を迎えるのにあわせ、記念イベントを行うと発表した。
成田空港駅は3月1日から5月31日にかけ、30周年の記念装飾を行う。また、3月1日から3月31日まで、「成田空港高速鉄道線30年のあゆみ」と題した写真展を成田空港駅コンコースで開催する。
JR東日本と京成電鉄のコラボによる記念グッズ(フェイスタオルやクリアファイル、ピンバッジセットなど)も販売する。3月6日に京成上野駅、3月7日にJR両国駅でそれぞれ先行販売し、その後、JR東日本の駅売店や京成線の駅構内にあるコンビニで通常販売が行われる予定だ。これ以外にも追加行事が計画されており、3月に案内するという。
成田空港には1978年の開港にあわせて京成線が乗り入れたが、当時の成田空港駅(現在の東成田駅)はターミナルビルから離れた場所に設けられており、成田空港駅からターミナルビルへはシャトルバスに乗り換える必要があった。
一方、ターミナルビルに直接乗り入れる鉄道として国鉄が運営する成田新幹線が計画されたものの、東京都江戸川区などによる激しい反対運動に国鉄の経営悪化も重なり、成田空港駅とその手前の路盤が完成した1983年に工事は凍結。1987年の国鉄分割民営化で成田新幹線の計画自体が中止された。
その後、成田新幹線の完成した施設を活用してJR在来線と京成線が第1ターミナルビルに直接乗り入れる路線を整備することが計画され、30年前の1991年3月19日に現在のJR成田線支線の成田~成田空港間と京成本線の京成成田~成田空港間が開業した。乗り入れ線の施設は第三セクターの成田空港高速鉄道が保有し、JR東日本と京成電鉄が同社から施設を借り入れて列車を運行している。2010年には京成線の新ルート(成田スカイアクセス線)も開業。この路線も成田新幹線の施設を活用して成田空港駅に乗り入れている。