山手線で20年近く運転されてきた通勤電車E231系500番台が、新型通勤電車の導入計画の完了に伴い、まもなく姿を消す。1月10日、最後に残ったE231系500番台の11両編成1本に引退記念のヘッドマークが取り付けられた。
ヘッドマークは編成の両端に異なるデザインのものが取り付けられていた。山手線の駅では大勢の鉄道マニアが山手線最後のE231系500番台の姿を記録しようと、カメラを構えていた。
山手線のE231系500番台は2002年4月にデビュー。2005年4月までに572両(11両編成52本)が導入され、それまで同線で運用されていた205系が姿を消した。車体の幅が205系に比べ150mmほど広くなって定員も1両につき15人ほど増加。混雑緩和に効果を発揮した。
当初は11両中2両(7号車と10号車)が収納式の座席を設置した6ドア車だったが、ホームドアの整備計画に伴い全車固定式座席の4ドアに統一することになり、6ドア車を置き換えるための4ドア車が104両製造された。
2015年11月には新型通勤電車のE235系が山手線にデビュー。2017年から本格的な量産が始まり、それに伴いE231系500番台は山手線での運用から順次離脱している。離脱した編成は10両編成に短縮して帯の色を黄色に変更するなどの改造を受け、中央・総武線に転出した。
11両編成52本のうち、すでに48本が中央・総武線に転出。残り4本のうち3本も運用から離脱しており、現在は改造中とみられる。最後に残った1本は1月10日の17時頃、ヘッドマークを取り付けた状態で山手線の大崎駅に姿を現し、外回りの列車として発車した。
最後の編成が山手線での運用をいつ終了するかは明らかにされていない。山手線用のE235系は550両(11両編成50本)の製造が計画され、2019年12月に50本目となる最後の編成が完成していることから、早ければ今月1月の下旬にはラストランの日を迎えるとみられる。