小田急「下北線路街」温泉旅館の離れ3月オープン 「空き地」は当面存続



小田急電鉄は2月15日、小田原線の線路跡地を活用した「下北線路街」(東京都世田谷区)の各エリアのうち、開発エリア4(世田谷代田駅付近)にある温泉旅館の「離れ」を3月26日にオープンすると発表した。開発エリア10(下北沢駅付近)の「下北線路街 空き地」は当面存続し、申込期間を延長する。

当面存続する「下北線路街 空き地」。【画像:小田急電鉄】

「由縁別邸 代田」は昨年2020年9月にオープン。35室の客室と、箱根の温泉が楽しめる露天風呂付き大浴場、割烹、茶寮からなる温泉旅館だ。今年2020年3月26日には、「由縁別邸 代田」の向かいに長期滞在向けレジデンシャルスイートとスパトリートメント施設「SOJYU spa」からなる離れがオープンする。レジデンシャルスイートは約50平方mのモダンな和の空間(1LDK)といい、1~4人の利用が可能。室料は1カ月30万円から。

「由縁別邸 代田」離れのレジデンシャルスイートのイメージ。【画像:小田急電鉄】

「下北線路街 空き地」は2019年9月にオープンした暫定的な屋外イベントスペース。新型コロナウイルス感染拡大の影響で一部イベントが中止されているが、テイクアウト可能なキッチンカーの出店スペースを増やすなどして地域のニーズに応えてきたという。

このスペースは当初、今年2021年3月までの暫定利用の計画だったが、「当スペースの存続を願う約200名の方から署名をいただいた」などとして、当面存続することにしたという。

貸し出しているスペースは、空き地キッチン・キッチンカーエリア・レンタルスペースA(芝生エリア)・レンタルスペースB(イベントエリア)・レンタルスペースC(駐車場エリア)。基本料金はレンタルスペースAの場合、休日で1時間あたり3万円だ。

地上に線路が敷かれていた頃の小田急小田原線(2013年2月、東北沢~下北沢)。【撮影:草町義和】

下北線路街は、小田原線の東北沢駅から世田谷代田駅の全長約1.7kmに設けられた複合商業施設エリア。小田急電鉄は線路の地下化・複々線化(2018年3月までに切替完了)に伴い創出された地上の線路跡地を活用し、住居併設の飲食店や教育施設などの整備を進めてきた。