相鉄・東急直通線「新横浜トンネル」掘削が完了 陥没で工事中断も完成に向け前進



鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)の東京支社はこのほど、神奈川東部方面線のうち相鉄・東急直通線の工事について、新横浜トンネルのシールドマシンが新横浜駅(仮称)に到達し、掘削が完了したと発表した。到達日は11月27日。

掘削が完了した相鉄・東急直通線の新横浜トンネル。【撮影:草町義和】

新横浜トンネルは、新綱島駅(仮称)と新横浜駅を結ぶ、全長3304mの地下トンネル。直径約9.5mの複線円形トンネルとして計画され、2018年10月、新綱島寄りからシールドマシンによる掘削が始まった。

今年2020年6月、トンネルの上にある道路の陥没事故が2度発生。この影響で工事は中断した。その後、陥没は新横浜トンネルの掘削時に土砂を取り込みすぎたことが原因とした調査結果がまとめられ、安全確保のための工事を行ったうえで9月2日から工事を再開していた。

新横浜トンネルの新綱島寄りの坑口。【撮影:草町義和】
新横浜トンネルの位置(新綱島~新横浜間)。【画像:鉄道・運輸機構】

神奈川東部方面線は、相模鉄道(相鉄)本線お西谷駅と東急電鉄東横線の日吉駅を結ぶ、全長約12kmの鉄道計画。羽沢横浜国大駅を境に西谷~羽沢横浜国大間の相鉄・JR直通線と、羽沢横浜国大~新横浜~日吉間の相鉄・東急直通線で構成される。このうち相鉄・JR直通線は相鉄の路線として昨年2019年11月に開業。相鉄線とJR線の相互直通運転が始まった。

相鉄・JR直通線(青)と相鉄・東急直通線(赤)のルート。相鉄・東急直通線が開業すると、相鉄線と東急東横線・目黒線の直通ルートができあがる。【画像:相鉄】
相鉄・東急直通線の新横浜駅構内。ここが相鉄と東急の境界になる。【撮影:草町義和】

残る相鉄・東急直通線は2022年度下期の開業予定。新横浜駅を境に西谷~新横浜間が相鉄新横浜線、新横浜~日吉間が東急新横浜線になり、相鉄線と東急線の相互直通運転も始まる予定。所要時間は二俣川~目黒間が約38分で、いまより16分程度短縮される見込みだ。