JR九州は12月18日、来年2021年3月13日に実施するダイヤ改正の概要を発表した。列車名としては70年近い歴史を持つ特急「有明」が廃止される。
九州新幹線は、山陽新幹線との直通列車を除き減便。「さくら」2本と「つばめ」13本を減らす。これにより1日(平日)の九州新幹線の運転本数は107本になる。
在来線特急は減便や臨時列車化を実施する。博多~大分間などを結ぶ「ソニック」は12本を臨時列車化。博多~長崎間の「かもめ」は1本廃止して3本を臨時列車に変更する。日豊本線の「にちりん」は4本を臨時列車化し、4本を廃止。その一方で「ひゅうが」は延岡~宮崎空間に6本設定し、夕方以降の2本の運転を取りやめる。
門司港・小倉~博多間の「きらめき」は早朝と夕方以降の5本(休日運転除く)の運転を取りやめ、早朝時間帯に快速列車を新設する。一方で小倉駅を22時31分に発車する博多行き「きらめき」を増発する。博多~直方間の「かいおう」は早朝と夜間の2本の運転を取りやめる。日豊本線の「きりしま」は4本減らす。
日南線の観光列車「海幸山幸」は、利用者が多く見込まれる日に増発して2往復にする。
快速・普通列車は博多~篠栗間で日中の普通列車を1時間あたり1本減らして3本に。終電の繰り上げは博多駅の場合、鹿児島本線の南福岡行きを20分繰り上げる。篠栗線方面の終電は篠栗行きで18分繰り上げ、終点を新飯塚駅に変更する。
また、現在は鹿児島本線の大牟田→博多間で平日に上り1本のみ運転されている「有明」が廃止される。
「有明」は1951年、前年から運転開始した門司港~熊本間の準急列車の列車名として使用開始。名前は鹿児島本線・大牟田付近の西側にある有明海にちなんでいる。のちの運行区間の変更などを経て、1965年から岡山~熊本間の急行列車、1967年10月からは門司港~西鹿児島(現在の鹿児島中央)間を結ぶ特急列車になった。1975年の山陽新幹線全線開業後は、おもに博多~西鹿児島間を結ぶ特急として定着した。
しかし、1992年の「つばめ」運転開始と2004年の九州新幹線・新八代~鹿児島中央間の開業、2011年の九州新幹線全線開業により、運転区間の短縮と運転本数の減便が続き、2018年以降は平日の上り1本だけになっていた。