リニア中央新幹線の非常口を公開 名古屋城の近くに深さ89mの「穴」



JR東海は11月12日、名古屋市内で行われているリニア中央新幹線の工事の現場を報道各社に公開した。

公開されたのは、岐阜県駅(仮称、中津川市)から名古屋駅の区間のうち、岐阜県可児市内から名古屋駅の地下ホーム東端につながる第1中京圏トンネルの名城非常口。名古屋城南側の三の丸地区に、直径37.7mの大きな円筒形の穴が姿を現しており、地上からの深さは89.1mに及ぶ。底面には将来のトンネル本坑を支える基礎が構築された。

中央新幹線のトンネルの多くは距離が長いため、途中にトンネル本坑と地上を結ぶ立坑(非常口)を約5km間隔で設けることが計画されており、名城非常口もそのうちの一つだ。

同非常口は8月に内部の掘削工事を完了しており、今後は側壁の工事を行って2022年7月に完成予定。ここから外径約14mのシールドマシンを搬入し、まず東京(品川)方面への掘削を開始。続いて名古屋駅への掘削も行う。リニア中央新幹線の完成後は、換気や事故・トラブル発生時の避難口として使われる。

JR東海によると、工事は湧水や土壌汚染の影響で工期が予定より1年半ほど遅れているが、名城非常口の工事に関しては、2027年とされている品川~名古屋間の開業予定時期への影響はないという。

ただ、南アルプストンネル(静岡工区)の建設による大井川水系の水量減少を巡ってJR東海と静岡県との対立が続き、同トンネルは未着工のまま。中央新幹線全体で見れば、2027年の開業は困難な情勢となっている。