小田急電鉄は11月4日、来年2021年春に実施するダイヤ改正で、最終列車の繰り上げと始発列車の繰り上げを行うと発表した。
最終列車は平日・土曜・休日とも、10分程度から20分程度繰り下げる。ただし小田原線の上り成城学園間→新宿間と多摩線の上りは現在の時刻とほぼ同じだ。
始発列車は小田原線の上り小田原→新松田間と相模大野→向ケ丘遊園間、経堂→新宿間、多摩線の上り、江ノ島線の上り大和→相模大野間で、5~15分程度繰り下げる。
小田急電鉄によると、最終列車の繰り上げと始発列車の繰り下げは、鉄道運行を取り巻く環境変化に対応するとともに、鉄道保守体制の持続性の向上を目指すもの。近年は少子高齢化で鉄道の保守作業に従事する人材の確保が困難になっていることから、最終列車の繰り上げと始発列車の繰り下げで深夜・未明時間帯の作業時間を増やし、業務の効率化を図るという。
これにより鉄道を利用できる時間は減少するが、現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響による在宅勤務の浸透と外出機会の減少で、特に夜間を中心に鉄道の利用者が減少。小田急電鉄は「お客さまの働き方や行動様式が従来の姿に戻ることはない」と判断し、最終列車の繰り上げと始発列車の繰り下げに踏み切ることにした。
ダイヤ改正の詳細な内容は、12月中に発表される予定だ。
夜間の利用者減少や保守作業人材の確保難による最終列車繰り上げや始発列車繰り下げは、JR東日本やJR西日本などが発表済み。私鉄などでも検討が進めらている。