【鉄道コネタ】遅い特急「ウエストエクスプレス銀河」を普通列車で追いかける旅



JR西日本の新しい長距離列車「WEST EXPRESS(ウエストエクスプレス)銀河」の運行が9月11日から始まった。11月までは関西と山陰を結ぶ夜行特急として、京都・大阪~出雲市間を走る。

「ウエストエクスプレス銀河」(左)と山陽本線の普通列車。【撮影:鉄道プレスネット編集部(左)・草町義和(右)】

12月以降は、関西と山陽を結ぶ昼行特急として東海道・山陽本線の大阪~下関間で運行される予定。このほど、運行時刻の概略が発表された。下りは大阪駅を朝7時台に出発して、下関駅には夜の19時台に到着。上りは10時台に下関駅を出発して22時台に大阪駅に到着となる。

所要時間は下りが12時間25分ほど、上りは11時間50分程度という「長丁場」。大阪~下関間の在来線の距離は約560kmだから、全体の所要時間に対する実質的な速度(表定速度)は42~45km/h程度になる。もともと乗ること自体が目的の観光列車に近い存在で、乗客に「銀河」の旅を楽しんでもらうために遅くしている面もあるだろうが、特急列車としてはかなり遅い。

これだけ遅いなら、「銀河」と同じ線路を走る普通列車をひたすら乗り継いでも、「銀河」より短い時間で移動できるのではないか。そう思って時刻表で普通列車の乗り継ぎパターンを調べてみたところ、乗り継ぎ時の待ち時間などによって大きく変わるものの、9時間30分~11時間ほどで大阪~下関間を移動できる。「銀河」より若干早いのだ。

時間帯によっては、「銀河」よりあとの普通列車に乗り、「銀河」より先に到着することもできる。下り(大阪→下関)の場合、「銀河」が大阪駅を出発してから30分以上たってから普通列車(新快速を含む)を乗り継いで「銀河」を追いかけると、下関駅には「銀河」より1時間40分ほど早く着く。

●下り普通列車乗り継ぎ(「銀河」は大阪7時20分頃発→下関19時45分頃着)
大阪7時56分発→姫路9時04分着(新快速)
姫路9時11分発→相生9時30分着
相生9時32分発→岡山10時38分着
岡山10時49分発→糸崎12時18分着
糸崎12時25分発→岩国14時35分着
岩国14時42分発→下関18時02分着

●上り普通列車乗り継ぎ(「銀河」は下関10時40分頃発→大阪22時30分頃着)
下関11時14分発→岩国14時32分着
岩国15時09分発→糸崎17時22分着
糸崎17時27分発→岡山19時06分着
岡山19時17分発→姫路20時40分着
姫路20時41分発→大阪21時46分着(新快速)

※上記乗り継ぎパターンは9月18日時点の平日ダイヤでの一例

12月以降の「銀河」の詳細なダイヤは発表されていないが、おそらく普通列車よりは高速で走り、途中駅で長時間停車を繰り返して後続の普通列車を先に行かせるダイヤになるだろう。だとすれば、普通列車を乗り継ぎながら「銀河」との「抜きつ抜かれつの旅」を楽しむことも不可能ではなさそうだ。