東急「ザ・ロイヤルエクスプレス」北海道での運行始まる 機関車に引かれて道内一周



JR北海道は8月28日、観光列車「THE ROYAL EXPRESS(ザ・ロイヤルエクスプレス)」の道内での運行を始めた。この日の10時から出発式が行われ、11時02分、同駅を発車。北海道を4日かけて一周する。

札幌駅で行われた出発式。白い車体が電源車で、その後方(右)に見える濃紺の車体が「ザ・ロイヤルエクスプレス」。【画像:東急】

この日の10時から札幌駅で行われた出発式には、JR北海道の島田修社長と東急の高橋和夫社長、北海道の鈴木直道知事らが出席。JR北海道の島田社長は「北海道の素晴らしい魅力ある観光資源の情報発信につながること、加えてクルージングトレインの旅の魅力がお客さまに、また、全国に伝わるきっかけになることを期待したい」と話した。

「ザ・ロイヤルエクスプレス」は、東急の企画によりJR線と伊豆急行線で運転されている横浜~伊豆急下田間の観光列車。伊豆急行の2100系電車5次車「アルファ・リゾート21」を改造した専用車両(8両編成)を使用し、車内でピアノとバイオリンの生演奏を楽しめるほか、キッチンカーを設けて伊豆の海の幸・山の幸を生かした料理を提供している。

北海道での運行構想は、経営が悪化しているJR北海道の事実上の救済策として浮上。2018年9月に発生した北海道胆振東部地震の影響を受けた北海道を応援する企画として具体化した。

JR北海道の路線の大半は電車が走れない非電化路線で、電化されている路線も交流方式のため、直流方式の「ザ・ロイヤルエクスプレス」はそのままでは走れない。そのため、JR北海道向けに編成を組み直し、8両編成のうち3両を抜いて5両編成とし、JR東日本から譲り受けたマニ50形荷物客車1両(マニ50 2186)を電源車として改造。DE15形ディーゼル機関車がけん引して走る。

「ザ・ロイヤルエクスプレス」の北海道での運行ルート。【画像:東急】

当初は今年2020年8月14日から9月18日まで計5回のツアーが行われる予定だったが、新型コロナウイルスの影響で2回分が中止に。8月28~31日と9月4~7日、9月15~18日の計3回に変更された。中止分の参加者は来年2021年のツアーに振り替えられる予定だ。