九州新幹線・長崎ルートの環境アセス費計上は見送り JR九州「状況を注視していく」

与党の整備新幹線プロジェクトチーム(PT)が12月19日、2020年度予算案に整備新幹線の事業費804億円(国費ベース)を盛り込むとした政府方針を了承したのを受け、九州新幹線の営業主体であるJR九州は「一歩前進」とコメントした。

九州新幹線(鹿児島ルート)・新鳥栖駅の鹿児島寄り。新鳥栖~武雄温泉間をフル規格で整備する場合、ここに鹿児島ルートと長崎ルートの分岐点が設けられるとみられる。【撮影:草町義和】

整備新幹線は現在、北陸新幹線の金沢~敦賀間と九州新幹線(長崎ルート、西九州ルート)の武雄温泉~長崎間が工事中だが、人件費の高騰などで建設費が当初の想定より膨れあがっている。このため政府は2020年度予算案で、整備新幹線の事業費を国費ベースで過去最高の804億円を計上することにし、PTも了承した。

JR九州は「2022年度に予定されている武雄温泉~長崎間の完成に向けて一歩前進したものと受け止めている。弊社としても、営業主体として、開業に向けた準備に引き続き取り組んでまいりたい」とコメントした。

一方、長崎ルート・新鳥栖~武雄温泉間の環境影響評価(環境アセス)費用の計上が見送られたことについては「国交省は佐賀県の理解が必要であるというご判断をされたものと受け止めている。今後、国交省と佐賀県とのあいだで協議の開催に向けた調整がなされていくと思うので、その状況を注視してまいりたい」とコメントした。

長崎ルートは武雄温泉~長崎間の完成後、当面は軌間可変電車(フリーゲージトレイン)を使って博多~長崎間の直通運転を行うことが考えられ、博多~武雄温泉間は既設の在来線に乗り入れることになっていた。

しかし、フリーゲージトレインの開発がトラブルの発生で進んでおらず、導入コストも高額で採算性が悪いと考えられたことから、新鳥栖~武雄温泉間もフル規格の新幹線を整備する案が浮上。これに対して佐賀県は財政負担が重くなるとしてフル規格の整備に反対している。

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