切符メーカーや全国の地方私鉄・第三セクター鉄道は、2020年7月豪雨で被災し全線運休中のくま川鉄道(熊本県)を支援するため、復旧を祈念する「切符」をグッズ扱いで販売している。実際に利用することはできず、売上金の一部がくま川鉄道に寄付される。
地方私鉄などの切符を印刷している関東交通印刷(千葉県)は、「くま川鉄道 復興祈願切符」を制作した。全14駅の入場券(B型硬券)と、新鶴羽からおかどめ幸福ゆき乗車券(D型硬券)、専用台紙、ポストカードをセットにした。券面の日付は、くま川鉄道が被災した日「20.-7.-4.」(2020年7月4日)が刻まれている。
販売額は3000円。JR東日本のネットショップ「JREモール」で予約販売している。制作費は関東交通印刷が負担し、売上金は販売経費に掛かる一部を除き、くま川鉄道に寄付するという。
えちごトキめき鉄道(新潟県)も「くま川鉄道復旧祈念きっぷセット」を発売。2020年7月4日の日付が入った全14駅の入場券と、新鶴羽からおかどめ幸福ゆき乗車券、A4サイズのラミネートカードをセットにし、1セット3000円で販売している。こちらも販売経費を除いた売上(1セット当たり2550円)をくま川鉄道に寄付するという。
えちごトキめき鉄道の「祈念きっぷセット」は同社が代理店となって、ネットショップのほか全国各地の第三セクター鉄道や地方私鉄などでも販売されている。8月13日時点で販売が確認されている鉄道会社は次の通り。
●北海道
・道南いさりび鉄道
●岩手県
・三陸鉄道
・IGRいわて銀河鉄道
●茨城県
・鹿島臨海鉄道
●栃木県
・真岡鉄道
●千葉県
・銚子電気鉄道(銚子電鉄)
●新潟県
・えちごトキめき鉄道
●静岡県
・天竜浜名湖鉄道
●愛知県
・愛知環状鉄道
●岐阜県
・明知鉄道
・長良川鉄道
・樽見鉄道
●富山県
・あいの風とやま鉄道
●岡山県
・井原鉄道
●山口県
・錦川鉄道
●熊本県
・南阿蘇鉄道
・肥薩おれんじ鉄道
このほか、北海道の保存鉄道「りくべつ鉄道」や、千葉県のいすみ鉄道国吉駅観光案内所などでも販売されている。