牟岐線・阿波海南~海部間の廃止を届出 阿佐海岸鉄道DMV導入に向け経営移管の手続き



JR四国と阿佐海岸鉄道は8月11日、牟岐線・阿波海南~海部間(徳島県)1.5kmをJR四国から阿佐海岸鉄道に移管するための手続きを行った。鉄道と道路の両方を走れるデュアル・モード・ビークル(DMV)の導入計画に伴うもの。

DMVの運転予定区間(赤実践が鉄道、赤点線が道路)。このうち阿波海南~海部間は現在の牟岐線だが、阿佐海岸鉄道が経営を引き継ぐ。【作成:鉄道プレスネット編集部/国土地理院の地図を加工】

JR四国は阿波海南~海部間の第一種鉄道事業の廃止を国土交通大臣に届け出た。廃止予定日は来年2021年8月31日だが、JR四国は「四国運輸局による関係者への意見の聴取をふまえ、繰上げが認められれば、繰り上げる予定」としている。

一方、牟岐線の海部駅で接続している阿佐東線・海部~甲浦間(徳島県・高知県)8.5kmを運営している阿佐海岸鉄道は、阿波海南~海部間の鉄道事業許可を国交相に申請した。事実上、阿波海南~海部間の鉄道事業をJR四国から譲り受けるための手続きになる。

徳島県・高知県の紀伊水道沿いのエリアは、徳島~牟岐~阿波海南~海部間の牟岐線と海部~甲浦間の阿佐東線で結ばれている。甲浦から室戸までは、かつて国鉄新線の建設が計画されていたが、国鉄の経営悪化で凍結。現在は国道55号を走る路線バスで結ばれている。

阿佐海岸鉄道はDMVの導入を計画しており、本年度2020年度中にも阿波海南~(現在の牟岐線→阿佐東線に編入)~海部~(阿佐東線)~甲浦~(道路)~室戸方面を結ぶDMVの営業運転が開始される見込みだ。

現在はDMVを導入するための施設の工事が行われており、JR四国は牟岐~阿波海南~海部間の運転を今年7月18日から休止し、代行バスを運転している。運休期間は来年1月31日までの予定。