東京地下鉄(東京メトロ)は8月11日、新型車両の17000系電車を有楽町線の新木場車両基地(東京都江東区)で報道関係者に公開した。来年2021年2月にデビューの予定。有楽町線と副都心線で運用される。
車体は有楽町線・副都心線で現在運用されている7000系電車や10000系電車をモチーフにしたデザインで、丸型のヘッドライトを採用。車端の上部には車内フリースペースの位置を外から確認できる案内を掲示し、車椅子・ベビーカー利用者への案内を強化する。
車内は有楽町線・副都心線のラインカラーにあわせたデザインでまとめ、連結部や座席横の仕切り、荷物棚に透明な強化ガラスを採用することで車内の開放感を高めたという。一人あたりの座席幅は3cm拡大して46cmになった。
7000系に比べ冷房能力が向上したほか、車両の床面を低くし、出入口下部の形状もホーム側に傾けることで、車両とホームの段差を小さくした。車内案内表示装置は英語、中国語、韓国語に対応している。犯罪行為を未然に防ぐため、防犯カメラも設置した。
動力関係は高効率の永久磁石同期電動機(PMSM)とシリコンカーバイド(SiC)素子を利用した制御装置の採用で消費電力量を削減した。台車はボルスタ付きで、カーブの通過性能と高速運転時の安定性を向上したという。
保安関係では、丸ノ内線2000系電車から採用している車両情報監視・分析システム(TIMA)を導入。車両の走行中も機器の状態のデータを取得し、総合指令所や車両のメンテナンス部署から遠隔で監視することができる。脱線した場合に自動的に列車を停止させる脱線検知装置も搭載している。
17000系は9月から乗務員訓練を実施し、2021年2月にデビューする予定。同年4月には前半60両(10両編成6本)の搬入を完了する予定だ。続いて後半120両(8両編成15本)は2021年5月から搬入を開始し、2022年度中に搬入完了予定。老朽化した7000系を置き換える。