JR東海は7月14日、豪雨の影響で一部不通になっている高山本線(岐阜県)と飯田線(静岡県・長野県)の被災状況や運転再開見込みを発表した。高山本線の運休区間は7月20日までに運休区間を飛騨小坂~渚間に縮小する見込み。飯田線は全線再開までに3カ月かかる見通しだ。
高山本線は4カ所が復旧済みで、8カ所が復旧工事中。飛騨萩原~上呂間の2カ所で土砂が流入し、上呂駅構内にも土砂が流入した。飛騨小坂~渚間は国道41号で大きな被害が発生し、隣接する高山本線の施設も被災。4カ所で線路擁壁下部の露出や土砂流入、道床流出、電気設備の損傷が発生している。このほか、飛騨一ノ宮~高山間の1カ所で土砂流入と電気設備の損傷が発生した。
現在は飛騨萩原~高山間で運転を見合わせており、特急「ワイドビューひだ」は岐阜~下呂間と高山~猪谷間で区間運転を行っている。7月16日からは飛騨萩原~飛騨小坂間と渚~高山間で代行バスの運転を始め、両区間とも7月20日の始発までには列車の運転を再開する見込みだ。残る飛騨小坂~渚間は国道41号の道路管理者と連携して復旧計画を進めているが、再開時期の見込みは示していない。
飯田線は静岡県と長野県の県境をまたぐ小和田~中井侍間で大きな被害が発生しており、線路の長さ約35mの範囲で斜面が崩落した。これ以外にも3カ所で被害が発生しているが、すでに復旧している。
この影響で小和田~中井侍間を含む水窪~平岡間が運休。それ以外の区間は普通列車が通常通り運転しているが、特急「ワイドビュー伊那路」は全線の運転再開まで全列車・全区間を運休する計画。JR東海は運転再開まで約3カ月かかるとしており、全線の再開は10月頃になるとみられる。