愛知県は7月7日、昨年度2019年度から実施している無人飛行ロボット(ドローン)による荷物輸送の実証実験について、本年度2020年度は3カ所で実証実験を実施すると発表した。このうち豊田市では鉄道の廃線跡を「ドローン専用空路」として活用する。
廃線跡を使った豊田市内での実証実験は2019年11月に続いて行われるもので、インターネットなどを使って購入した日用雑貨品を、ドローンで過疎地域に配送するケースを想定。実証地域は同市の中金町~東広瀬町間の約2.1kmになる。
豊田市が所有する名古屋鉄道(名鉄)三河線の廃線跡の一部区間をドローンの専用空路とし、LTE通信を使用した飛行レベル3(無人地域での目視外飛行)で実施される。
これにより、ドローンによる自動化・省人化を実現した際の運用コスト算出や既存のサービスとの比較検証、ドローン専用空路の設定に必要な初期費用の検証、ICカードを活用した配送ボックスの施錠・開錠システムの検証などを行う。8月上旬に飛行ルートを確定し、9月までテストフライトを実施。9月から11月にかけて実証実験の本番を行うという。
名鉄三河線は1914年から1928年にかけ、西中金~猿投~碧南~吉良吉田間が開業。このうち豊田市内の西中金~猿投間8.6kmと、現在の碧南市・西尾市を通っていた碧南~吉良吉田間16.4kmは2004年に廃止された。実証実験では、西中金~三河広瀬間の廃線跡を一部使うとみられる。