阪堺電軌が運賃改定を申請 20円値上げ、定期券も全線均一制に

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大阪市と堺市を結ぶ路面電車を運行している阪堺電気軌道(阪堺電軌)は6月30日、国土交通省の近畿運輸局長に軌道旅客運賃の変更認可を申請した。認可された場合、10月1日に運賃を変更する。

阪堺電軌が導入した超低床式電車。【撮影:草町義和】

普通旅客運賃(大人)の上限は、いまより40円高い250円の均一制に。定期旅客運賃(大人・1カ月)の上限は通勤定期が9660円、通学定期が5500円で、いずれも全線均一制になる。平均改定率は、普通旅客運賃が5.938%、定期旅客運賃(大人・1カ月)は通勤10.576%、通学29.172%になる。

阪堺電軌は上限運賃の認可後、上限の範囲内で実際に適用する運賃(実施運賃)を届け出るとしており、普通旅客運賃は全線230円均一に。定期旅客運賃は普通旅客運賃からの割引率を通勤で30%、通学で60.1%とする。

阪堺電軌の普通旅客運賃は現在、全線210円の均一制。10月1日以降は実施運賃ベースで20円の値上げになる。一方、定期旅客運賃は利用する距離によって金額が変わる方式を採用しており、現在は通勤定期の1カ月用で上限が7050~1万2360円となっているが、10月1日以降は全線均一制となることから、上限運賃ベースでは1~8kmが値上げ、9~14kmが値下げになる。

■10年間で100万人増

阪堺電軌は、恵比寿(大阪市浪速区)~浜寺駅前(堺市西区)間14.0kmの阪堺線と、天王寺駅前(大阪市阿倍野区)~住吉(大阪市住吉区)間4.3kmの上町線を運営。阪堺電軌によると、輸送人員は1998年度が1104万8000人だったのに対し、2009年は722万人まで減少。赤字経営が常態化していたといい、2010年度から10年の期限で堺市からの公的支援を受けている。

これに伴い、利用者を増やすための施策を実施。ICカードシステムの導入や停留場の新設、超低床式の新型車両の導入などが行われ、2018年度の輸送人員は820万2000人まで回復した。

阪堺電軌の上限運賃は現在、普通旅客運賃が大阪市内と堺市内でそれぞれ210円の均一制となっており、両エリアをまたぐ場合の運賃は290円になっているが、堺市の公的支援を受けることで全線210円均一を維持している。

この公的支援が期限を迎えるほか、今後も運行管理システムの更新(1億円)や交差点の改修工事(1億8000万円)などのプロジェクトを控えていることもあり、阪堺電軌は運賃の改定を計画。堺市の支援などで実施している運賃の全線均一制は「利用者の拡大に貢献し運賃制度として定着している」として、全線均一制を拡大しつつ運賃を値上げすることにした。

また、南海電気鉄道(南海電鉄)南海本線の堺市域では、線路を高架化する連続立体交差事業(連立事業)が行われており、同線と立体交差している阪堺線・船尾~浜寺駅前間の軌道が支障する。このため、阪堺線の浜寺駅前停留場を現在の南海本線・浜寺公園駅の西側から東側に移設する案が検討されている。阪堺電軌は連立事業と阪堺線・船尾~浜寺駅前間の移設を一体的に進めて南海本線と阪堺線の乗り継ぎの利便性向上を図るとしている。

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