「ザ・ロイヤルエクスプレス」北海道運行は運転期間短縮、計3回に 来年は増回



JR北海道と東急の2社は6月30日、観光列車「THE ROYAL EXPRESS(ザ・ロイヤルエクスプレス)」の北海道での運転ツアーについて、当初の予定を変更して8月28日から運転すると発表した。一方で来年2021年の運転は2回増やす。

通常は横浜~伊豆急下田間で運転されている観光列車「ザ・ロイヤルエクスプレス」。【画像:Jun Kaida/PIXTA】

北海道でのツアーは当初、今年2020年8月14日から9月18日までの約1カ月間、1回の定員を30人として計5回実施する予定だった。2社は「新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた万全の準備に時間を要する」として、実施回数を2回減らして3回に。初回と2回目のツアーを中止し、8月28日の出発回から実施することにした。一方、来年2021年は実施回数を2回増やして計7回とし、今年2020年の当初予定の初回・2回目に参加予定だった客を来年2021年のツアーに振り替える予定という。

「ザ・ロイヤルエクスプレス」は、東急の企画によりJR線と伊豆急行線で運転されている横浜~伊豆急下田間の観光列車。伊豆急行の2100系電車5次車「アルファ・リゾート21」を改造した専用車両(8両編成)を使用し、車内でピアノとバイオリンの生演奏を楽しめるほか、キッチンカーを設けて伊豆の海の幸・山の幸を生かした料理を提供している。現在は新型コロナウイルスの影響で運休中だが、今年2020年7月3日から横浜~伊豆急下田間での通常運転を再開する予定だ。

北海道での運行構想は、経営が悪化しているJR北海道の事実上の救済策として浮上。JR北海道の路線の大半は電車が走れない非電化路線で、電化されている路線も交流方式のため、直流方式の「ザ・ロイヤルエクスプレス」はそのままでは走れない。そのため、ディーゼル機関車が「ザ・ロイヤルエクスプレス」8両のうち3両を抜いた5両と電源車1両(マニ50形客車のマニ50 2186)をけん引して走る。

「ザ・ロイヤルエクスプレス」の北海道運行で連結される電源車のマニ50 2186。【画像:tarousite/PIXTA】