三井化学大牟田工場の専用鉄道、ラストランイベントは秋頃に延期 5月に運転終了



三井化学はこのほど、同社の大牟田工場(福岡県)とJR鹿児島本線を結ぶ専用鉄道のラストランイベントについて、新型コロナウイルスの影響に伴い、開催時期を当初予定の6月から秋頃に延期すると発表した。

三井化学大牟田工場専用鉄道の最終日。【画像:三井化学】

三井化学の専用鉄道は三井三池炭鉱の専用鉄道として1891年に供用開始。現在、炭鉱はすでに閉山しているが、専用鉄道は一部が残り、三菱ケミカル福岡事業所(北九州市)から大牟田工場に硝酸を運ぶために使われていた。

しかし三菱ケミカルが硝酸の生産を停止。三井化学は別の事業者から硝酸を入手することに。大牟田工場までの輸送方法も船とトラックに変わったため、専用鉄道は5月7日をもって運転を終了した。

三井化学は専用鉄道の運転終了を受け、「ありがとう炭鉱電車プロジェクト」と題したラストランイベントを計画。6月に実施する計画だった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、イベントを秋頃に延期したという。

三井化学によると、運転を終了した専用鉄道について「未来に向けたレガシーとしての活用を検討しており、炭鉱電車の『映像』と『音』を皆さんに懐かしみ、楽しんでいただけるようなコンテンツを製作中」としている。ラストランイベントは日程が決まり次第、ウェブサイトで案内される予定だ。

三井化学大牟田工場専用鉄道の最終日。【画像:三井化学】
関係者による最終日の記念撮影。【画像:三井化学】