名松線「キハ75」初乗り入れ 全線開業90周年、ヘッドマーク掲出や記念駅弁の販売も



JR東海は名松線(三重県)の全線開業90周年キャンペーンを11月15日から展開する。12月には名古屋駅から名松線に直通する「名松線開業90周年記念列車」も運行する。

JR東海のキハ75形。【画像:taso583/写真AC】

この記念列車はツアー専用列車で12月7日に運行。名古屋駅を8時15分ごろに発車する。名松線で通常運用しているキハ11形気動車の検査を行っている名古屋車両区を訪れてから名松線を走り、終点の伊勢奥津駅には12時57分に到着するスケジュールだ。

車両はキハ75形気動車2両を使用。松阪~伊勢奥津は定期列車のダイヤで運行するため、2両のうち1両は一般車両、もう1両をツアー専用車として運用する。JR東海によると、キハ75形が営業運転で名松線を走るのはこれが初めてになるという。

このほか、津市の小学生から募集した名松線にまつわるイラストなどを同線の列車内や松阪駅で11月15日以降、順次展示。記念ロゴをヘッドマークとして掲げた装飾列車の出発式を12月7日11時10分ごろから伊勢奥津駅で開催する。記念ロゴは沿線の高校生がデザインした。

また、名松線で使用されていたタブレットキャリアなど鉄道用品を12月5日からオークション形式でネット販売。松阪駅の駅弁業者で創業130周年を迎える「あら竹」も、記念デザインの「元祖特撰牛肉弁当」を12月1日から販売する。

名松線を走るキハ11形。【画像:エリザベス⭐︎/写真AC】

名松線は現在の松阪市と名張市を結ぶ計画だった鉄道路線。1929年に松阪~権現前が国鉄線として開業し、その後順次延伸されて1935年12月5日に伊勢奥津駅まで開業した。しかし、この時点で松阪~名張を結ぶ現在の近鉄山田線・大阪線が開業済みだったこともあり、伊勢奥津~名張は建設されなかった。

輸送密度は国鉄時代の1977~1979年度が1322人。1980年公布の国鉄再建法に基づき廃止対象となったが、並行する道路の幅が狭く代替バスの運行は困難と判断されて存続し、1987年の国鉄分割民営化でJR東海が継承した。2009年には水害で家城~伊勢奥津が不通に。JR東海は同区間をバス転換する方針を示したが、このときも沿線の治山治水事業を自治体が実施することを条件に鉄道復旧が決まり、2016年に全線再開している。

近年の輸送密度はコロナ禍が本格化する前の2019年度が287人。2020年度は208人、2022年度は200人を割り込んで193人だった。

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