京急電鉄は9月1日、連続立体交差事業(連立事業)により高架化される北品川駅(東京都品川区)の駅舎デザイン案を公表した。一般からの意見を募集している。

高架化により整備される新しい北品川駅の施設コンセプトは「まちとまち、人と人とをつなぐ駅」。「街×合 連立事業によって線路で分断されていた街と街が出合う」「待×会 使いやすい駅で人々が待ち会い、集う」「街×愛 時代・人をつなぐ、北品川らしさを持った駅づくり」の三つを基本に据えた。
デザイン案は「旧東海道の街並みと整合した駅舎」とし、旧東海道の宿場町の一つで北品川駅の近くにある「品川宿」の要素を採り入れた。吉兆文様の青海波をモチーフにした装飾も施している。
意見募集の期間は9月30日まで。京急電鉄ウェブサイトで公表している電子メールのアドレスで受け付けている。


この連立事業は京急本線・泉岳寺~新馬場の2.6kmのうち港区高輪2丁目~品川区北品川2丁目の約1.7kmが事業区間。品川駅付近の線路を地上化する一方、北品川駅付近の線路を高架化して踏切3カ所を解消する。2020年4月に事業認可を受けて着工した。事業施行期間は2029年度末まで。

京急電鉄によると、北品川駅の駅舎デザイン案の制作にあたって地域住民との意見交換を実施。「旧東海道に沿って走る京急の景色を残したい」「周辺開発とも調和しつつ、旧東海道のしつらえを残した宿場町に相応しい駅舎」などの意見が出たという。
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