山万ユーカリが丘線「顔パス改札」国内初の本格導入、QRコードの乗車券も



ユーカリが丘線(千葉県佐倉市)を運営する山万は6月15日から、顔認証システムによる改札を本格導入する。あらかじめ顔を登録しておくことで改札を「顔パス」で通過できるようになる。同時にQRコードを活用した切符も導入し、磁気式の切符を縮小する。

「顔パス改札」が導入されるユーカリが丘線。【撮影:草町義和】

顔認証改札に対応するのは割引定期券を除く通勤定期券。6月15日から専用ウェブサイトや窓口で顔の登録を受け付ける。普通乗車券も6月15日からQRコードを印刷した紙の切符を発売。スマートフォンの画面にQRコードを表示する方式にも対応する。利用時には顔認証やQRコードの読み取りに対応した改札を通過する必要がある。

これに伴い、磁気式の通勤定期券と普通乗車券は6月14日限りで発売を終了する。現在利用中の磁気式の定期券は顔認証システムの導入後も利用できるが、次回更新時から顔認証システムに切り替えられる。通学定期券と回数券、一日・二日券、シニアパスは変更はないが、これらも順次、顔認証システム・QR券売機での対応に変わる予定だ。

ユーカリが丘線は山万が開発したユーカリが丘ニュータウンを周回する全長4.1kmの鉄道路線。専用の通路をゴムタイヤで走行する方式の新交通システム(AGT)を採用している。

1982年の開業時に磁気式の切符と自動改札機を導入しているが、交通系ICカードには対応していない。2021年から顔認証による乗車システムの実証実験を実施し、このほど本格導入が決まった。鉄道駅の顔認証改札はほかに大阪メトロやJR西日本が実証実験を行っているが、本格導入はユーカリが丘線が国内初だ。

ユーカリが丘線の駅にある自動改札機。磁気式の切符のみ対応している。【撮影:草町義和】

顔認証・QRコードに対応した改札システムは構造がシンプルで、磁気式の切符やICカードに対応した自動改札機に比べ導入・維持コストを抑えられるなどの利点がある。

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