水島臨海鉄道(岡山県倉敷市)は4月10日、国土交通省の中国運輸局に鉄道事業の旅客運賃上限変更認可申請書を提出した。認可された場合、水島臨海鉄道は10月1日に運賃を値上げする方針。
普通旅客運賃は7kmまでが20円の値上げで7km以上は30円の値上げ。初乗り(4kmまで)は現行190円→改定210円、10km超は現行350円→改定380円になる。定期旅客運賃は7~10km・1カ月の場合、通勤が1450円値上げの1万2710円。通学は7280円で620円の値上げだ。
改定率は全体で10.5%。定期以外は10%で通勤定期は12.4%、通学定期は9.2%になる。消費税率の引き上げに伴うものを除くと、運賃改定は1995年以来28年ぶりだ。
水島臨海鉄道は倉敷市駅(JR倉敷駅に隣接)と水島臨海工業地帯を結ぶ鉄道路線を運営。工場で生産される物品を輸送する貨物列車のほか、沿線の通勤・通学を担う旅客列車も運行している。
水島臨海鉄道によると、同社の年間旅客輸送人員は1993年度の約244万人をピークに道路網の整備や少子化による影響を受け減少。コロナ禍が本格化する前の2019年度にはピーク時の75%(約184万人)に落ち込んだ。
2020年度はコロナ禍の影響で年間輸送人員は約134万人と一気に減少。2022年度末も約146万人と推定され、回復傾向にはあるものの依然としてコロナ禍前の2割以上の減少となっている。
これに加えて昨今の原油価格の高騰が加わり、気動車を運用している同社にとって「直接的かつ大きな負担」に。また、建設から50年を迎える西富井駅付近の高架区間の大規模修繕なども計画。費用の増大が見込まれることから経営健全化が不可欠とし、運賃を改定することにしたという。
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