JR北海道「キハ183系」本年度で引退 キハ283系が「オホーツク」「大雪」で復活



JR北海道は7月13日、特急型気動車「キハ183系」の定期運行を本年度2022年度をもって終了すると発表した。キハ183系で運行されている石北本線の特急「オホーツク」(札幌~網走)と「大雪」(旭川~網走)は、石勝・根室本線の特急「おおぞら」(札幌~釧路)で運用されていたキハ283系に置き換えられる。

旧塗装を復元したキハ183系後期型で運行されている特急「オホーツク」。【画像:中村昌寛/写真AC】

キハ183系は国鉄時代の1979年に試作車が製造され、1980年から営業運行を開始。1981年から1983年にかけ量産車(初期型)が製造された。それまで北海道の特急列車で運用されていたキハ80系は先頭車が貫通扉付きで運転台の位置が低かったが、キハ183系は183系などの国鉄特急電車と同様、運転台を高い位置に設置。貫通扉を省略した非貫通型としたのが特徴だった。

国鉄時代末期の1986年にデビューした後期型は先頭車を貫通扉付きとし、グリーン車にハイデッカー構造を採用したのが特徴。JR北海道の発足後も1992年まで改良を加えながら製造され、函館方面の「北斗」や帯広・釧路方面の「とかち」「おおぞら」、稚内方面の「サロベツ」など、道内各地の特急で使われた。

新型車両への更新や老朽化に伴い順次引退し、試作車と初期型が2018年までにすべて引退していた。現在は後期型が網走方面の「オホーツク」「大雪」で運用されており、一部の車両はデビュー時の塗装を復元して運用されている。

2022年3月のダイヤ改正で定期運行を終了していたキハ283系。【画像:中村昌寛/写真AC】

キハ183系に代わって「オホーツク」「大雪」に導入されるキハ283系は、1995年から2001年にかけ製造された特急型気動車。札幌~釧路を結ぶ特急「おおぞら」の高速化を目的に開発され、キハ281系に続いて振り子式を採用したのが特徴だった。

2011年に発生した脱線火災事故の影響で一部の車両が廃車になり、代替車としてキハ261系が導入されたことから数を減らしていた。今年2022年3月のダイヤ改正で「おおぞら」の全列車がキハ261系に統一されて定期運用を終了したが、「オホーツク」「大雪」への導入で復活することになる。

JR北海道のキハ183系はほかに団体列車や臨時列車向けの「ノースレインボーレクスプレス」があるが、これも2023年春をもって運行を終了する予定。またJR九州は1988年にキハ183系を導入しているが、先頭部に前面展望室を設けるなど車体構造が大きく異なる。現在は熊本~大分・別府の特急「あそぼーい!」で運用されている。

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