「SL人吉号」鹿児島本線で運転 運休続く肥薩線のSL列車、上りSL・下りDL



JR九州は3月22日、鹿児島本線の鳥栖~熊本間(熊本県・福岡県・佐賀県)でSL列車「SL人吉」を走らせると発表した。昨年2020年の豪雨で一部運休している肥薩線(熊本県・宮崎県・鹿児島県)の沿線応援企画として行われる。

SL列車「SL人吉」。写真の橋りょうは2020年の豪雨の流失した。【画像:tetsuo1338/PIXTA】

運転日は2021年5月1日~6月27日の土曜・休日。客車編成の鳥栖寄りに蒸気機関車、熊本寄りにディーゼル機関車を連結し、先頭に蒸気機関車が連結されるのは上り鳥栖行きになる。下り熊本行きはディーゼル機関車が先頭に立ち、蒸気機関車は後方に連結される。ダイヤは次の通り。

●上り(蒸気機関車が先頭)
熊本10時50分発→玉名11時41分発→大牟田12時15分発→久留米13時13分発→鳥栖13時24分着

●下り(ディーゼル機関車が先頭)
鳥栖15時27分発→久留米15時39分発→大牟田16時37分発→玉名17時11分発→熊本17時53分着

全席指定席の快速列車として運転され、乗車には乗車券と指定席券が必要だ。指定席券は乗車日1カ月前の10時から発売される。「SL人吉」用客車の指定席券(蒸気機関車がけん引する場合)は840円だったが、今回の運転から倍額の1680円に値上げされる。

JR九州は7月以降について「別途お知らせいたします」としており、同月以降も運転されるとみられる。

「SL人吉」は、鹿児島本線~肥薩線の熊本~八代~人吉間で運転されているSL列車。8620形蒸気機関車の58654号機が「SL人吉」専用客車をけん引する。肥薩線は昨年の豪雨で橋りょうが流失するなど甚大な被害が発生し、いまも八代~人吉~吉松間が運休中。このため「SL人吉」も肥薩線で運転できない状態が続いている。