近鉄の行商専用列車「鮮魚列車」廃止 一般列車に専用車「お魚図鑑」連結に変更



近畿日本鉄道(近鉄)は2月18日、三重の伊勢志摩エリアと大阪を結ぶ魚介類の行商専用列車(鮮魚列車)を、3月13日限りで廃止すると発表した。3月16日からは、一般の列車に行商人専用のラッピング車両を連結して運転する。新旧の鮮魚列車と専用車両を並べた撮影会イベントも行われる。

新たに登場する行商人専用のラッピング車両「伊勢志摩お魚図鑑」のイメージ。【画像:近鉄】

鮮魚列車は平日と土曜日のみ、宇治山田発→大阪上本町行きと大阪上本町発→松坂行きの運行。伊勢志摩の魚介類を大阪で販売する行商人のみ乗ることができ、赤い車体に白い帯を巻いた専用車両で運転されている。

鮮魚列車の廃止後は3月16日以降の平日から、松坂6時44分発→大阪上本町8時46分着の列車(松坂→名張間は6両編成の急行、名張→大阪上本町間は4両増結して10両編成の快速急行)の最後尾に行商人専用車両を連結して運転される。列車自体は一般の客も乗れるが、専用車両は行商人のみ乗ることができる。

専用車両の車体はラッピング車両「伊勢志摩お魚図鑑」と題し、伊勢志摩の海に生息する魚介類のイラストで車体を装飾する。

撮影会イベントは3月22日、青山町車庫で開催。事前応募制のイベントツアーで、旅行代金は大阪難波発が7000円、近鉄名古屋発が7620円になる。募集人数は100人で、2月21日から3月12日まで大阪難波駅や近鉄名古屋駅などで申し込みを受け付ける。

行商専用列車や一般の列車に連結した行商専用車は、かつて各地で運行されていたが、物流の発達や行商人の高齢化などで利用者が減少。専用列車は近鉄の鮮魚列車だけになっていた。