京成電鉄「廃止駅で停止」ツアー 京成上野~千住大橋の4駅、博物館動物園駅の見学も



京成グループの京成トラベルサービスは3月19日と4月10日の計2回、「京成本線 幻の駅めぐりの旅」と題したツアーを実施する。京成電鉄の本線・京成上野~千住大橋間にあった四つの廃止駅を巡る。

1938年5月に撮影された道灌山通駅。電車の脇に駅名標が見える。【画像:萩原二郎】

千住大橋駅を13時50分頃、4両編成の3500形に乗って出発。京成上野駅で折り返し、博物館動物園・寛永寺坂・道灌山通・西千住の各駅が存在した位置付近で停止する。その後、京成高砂駅の引込線で折り返し、再び西千住・道灌山通・寛永寺坂・博物館動物園の順で停止する。停止時間は最大1分程度。

15時00分頃に京成上野駅へ到着後、徒歩で旧・博物館動物園駅へ。地下駅の構内を見学する。通常は入ることができないホーム階まで見学できる。見学時間は約20分。

参加者には廃止4駅の駅名が入った硬券ツアー参加記念乗車証や、博物館動物園駅と寛永寺坂駅が開業した1933年12月に発行された特別乗車券やパンフレットがデザインされたポストカード、京成線都内エリアがツアー当日乗り放題となる「下町日和きっぷ」などがプレゼントされる。また、列車内では京成のグッズが当たる抽選会が行われる。

旅行代金は大人4000円・子供3000円。募集人数は各日80人で、京成トラベルのウェブサイトで申込みを受け付けている。募集期間は3月19日実施分が3月10日12時まで。4月10日実施分は4月1日12時までになる。

京成上野~千住大橋間にあった廃止駅の位置(青)。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

かつて京成本線の都心寄りはいまより駅が多く、京成上野~日暮里間に博物館動物園駅と寛永寺坂駅、日暮里~新三河島間に道灌山通駅、町屋~千住大橋間に西千住駅があった。このうち博物館動物園駅と寛永寺坂駅は地下駅だった。いずれも1933年から1935年にかけ開業したが、隣接する駅に近すぎて利用者が少なかったことなどの理由により、博物館動物園駅を除く3駅が1953年までに廃止された。

博物館動物園駅もホームが4両弱の長さしかなく、長い編成の列車が増えるに伴って通過列車が増加し、利用者も減少。1997年に休止し、2004年に廃止された。施設は現在も残っており、2018年には駅舎が東京都選定歴史的建造物に選定された。一部のスペースがイベントなどで活用されている。

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