芸備線・新見~三次間で土休日に増発 「利用極少区間」現状分析や利用促進目指す



JR西日本は10月8日、芸備線(岡山県・広島県)で臨時列車などを運転すると発表した。同社と沿線自治体で構成される検討会議での議論を踏まえ、列車の増発による利用促進などを目指す。

芸備線の備後落合駅。【画像:アクセルF/写真AC】

2019年秋から運行している広島→備後庄原間の快速「庄原ライナー」の運転を、今年2021年秋も運行する。運行時刻は広島10時05分→三次11時30分→備後庄原11時56分。運転日は10月23日~12月12日の土曜・休日で計18日。広島→三次間の快速「みよしライナー」の列車名を変更し、運転区間を拡大する形になる。

備後落合・備後庄原~三次間では土曜・休日に臨時普通列車を1日につき下り1本、上り2本を運転する。運行日は10月23日~12月5日の土曜・休日(計16日)。運転時刻は下りが備後落合13時40分→三次15時16分、上りは三次9時58分発→備後落合11時21分と三次18時37分→備後庄原19時14分になる。いずれも新見方面と広島方面の列車との連絡を図る。

このほか、平日のみ運転している備後庄原19時23分→三次19時56分の普通列車を10月23日~12月12日の土曜・休日も運転する。国営備北丘陵公園で11月6日から開催されるナイトイルミネーションなどの観光客に対応する。

10月23日~12月5日の土曜・休日の区間別本数(上下合計)は、備後落合~備後庄原間が11本で、いまより2本の増発。備後庄原~三次間は土曜17本・休日15本で、いまより5本の増発になる。

新見~備中神代~備後落合間(新見~備中神代間は伯備線乗り入れ)でも、上下各1本の臨時普通列車を10月23日~12月5日の土曜・休日に運転する。運転時刻は下りが新見10時57分→備後落合12時21分、上りが備後落合12時30分→新見13時54分。

芸備線は中国地方を横断して備中神代~広島間の159.1kmを結ぶ鉄道路線。山間部の備中神代~三次間の利用者は極度に少なく、1日の平均通過人員(旅客輸送密度、2019年度)は備中神代~東城間が81人、東城~備後落合間が11人、備後落合~三次間が215人だ。

JR西日本は今年2021年6月、芸備線沿線の岡山県・新見市・広島県・庄原市に対し、同線の今後のあり方について議論することを申し入れ、検討会議が発足。地域公共交通の策定や見直しに向けた現状分析やニーズの把握、利用促進などを図るため、臨時列車を運転することになった。この臨時列車の利用実績が、今後の芸備線の存廃に関する議論に大きく影響するとみられる。

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