JR東日本「高額オレンジカード」廃止、払い戻し2023年まで



JR東日本は7月29日、オレンジカードの高額カード(5000円券と1万円券)を9月30日限りで廃止すると発表した。翌10月1日から払い戻しを行う。

払い戻しの対象となる高額オレンジカードの例。JR東日本が発行した5000円券と1万円券が対象だ。【所蔵:草町義和】

払い戻しの対象となるのは、カードの表面か裏面に「5,000(5,300)」または「10,000(10,700)」の記載があり、表面か裏面に「JR東日本」や「東日本旅客鉄道株式会社」の記載があるカード。9月30日までは低額オレンジカード(500・1000・3000円券)に交換して利用できる。

払戻期間は10月1日から2023年3月31日までで、期間内に払い戻しの申し出がなかった高額オレンジカードは払戻手続きから除斥される。払い戻しの申し出はJR東日本のみどりの窓口か郵送で受け付ける。

500・1000・3000円券の低額オレンジカードは今回の払い戻しの対象外。高額オレンジカードでもJR東日本を除くJR旅客会社(JR北海道・JR東海・JR西日本・JR四国・JR九州)と日本国有鉄道(国鉄)が発行したオレンジカードは対象外だ。

低額カードは引き続き利用可能。高額カードのうちJR東日本以外のJR旅客会社と国鉄が発行したカードは今回の払い戻しの対象外になる。画像は国鉄が発行した低額オレンジカード。【所蔵:草町義和】

オレンジカードは1985年、国鉄が発行した切符購入用の磁気式プリペイドカード。1987年の国鉄分割民営化後もJR旅客6社が発行を引き継いだ。

5000円券と1万円券の高額カードは偽造が横行したこともあって1997年に利用できなくなり、利用時は低額カードへの交換が必要になった。さらにストアードフェアカードやICカードの普及でオレンジカード自体の利用者が減少。JR旅客各社は2013年までにオレンジカードの発行を終了した。オレンジカードに対応した自動券売機では、いまも低額カードを利用できる。

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