姫新線・太市駅が「地元企業の本社」に 通勤通学客に朝食を提供



JR西日本の近畿統括本部は3月8日、姫新線の太市駅(兵庫県姫路市)に整備した新しい駅舎を3月21日に使用開始すると発表した。現在の駅舎がある場所には今後、地元企業の本社社屋が整備される。

3月21日から使用開始する太市駅の新駅舎のイメージ。【画像:JR西日本】

新駅舎は鉄筋コンクリート造り。交通系ICカード「ICOCA」(イコカ)対応改札機2台と券売機1台が設置される。ホーム階段の付け替えによる移動負担の軽減も図る。新駅舎の使用開始に伴う開業式典などは行われない。

新駅舎はかなり小さいが、現在の駅舎がある場所には地元物流会社の関西陸運が新しい本社社屋を建設する計画で、工事は今年2021年秋に完成の予定。同社の本社機能だけでなく、地域住民の交流拠点と駅施設としての機能も併せ持ち、新駅舎と一体的な施設として利用できるようにする。

関西陸運によると、新しい本社社屋は2階建て。1階に待合スペースやトイレ、観光案内所、雑貨・農産物などの販売所、カフェ、レストラン、貸会議室、レンタルスペースを設置する。2階には関西陸運の本社が入り、屋上にイベント可能なフリースペースを設ける。カフェでは通勤通学客向けの朝食(テイクアウトの食事)を提供するという。このほか、姫路市が駅前広場を整備し、工事は2022年春に完成の予定だ。

新駅舎の脇に建設される関西陸運の本社社屋のイメージ。【画像:関西陸運】

太市駅は姫路駅から9.9km先にある余部~本竜野間の駅。現在の駅舎は1931年12月の開業時に建設されたもので90年近く経過しており、老朽化が課題になっていた。