山手線またぐ東京都北区の道路が事業認可 約10年後「唯一の踏切」消滅へ



東京都は3月5日、山手線をまたぐ都市計画道路「補助第92号線(中里)」(北区)の事業認可を取得したと発表した。この道路が完成すると、山手線電車が運行されている線路から踏切がなくなる。

山手線の駒込~田端間にある第2中里踏切。【画像:よっとこ/写真AC】

補助第92号線は、北区西ヶ原1丁目と荒川区西日暮里4丁目を結ぶ都市計画道路。今回認可されたのは、このうち北区中里3丁目~田端6丁目間の160mだ。幅は20~22mで、車道は2車線。両側に歩道を設ける。自転車通行区間の整備も行う。この事業区間の南側で山手線の線路をまたぐ。

事業期間は来年度2021年度から約10年後の2029年度まで。補助第92号線の予定ルートの近くには、山手線の線路で唯一残る踏切(第2中里踏切)がある。この踏切は2017年1月、踏切道改良促進法に基づき「改良すべき踏切道」に指定した。

東京都が「補助第92号線(中里)」の整備に着手することになったことから、北区は昨年2020年11月までに、この道路の完成後に第2中里踏切を撤去する方針を固めている。踏切の南側で山手貨物線をまたぐ中里橋も撤去される。

補助第92号線(中里)と第2中里踏切の位置。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット編集部】

第2中里踏切が撤去されると、山手線電車が走る線路から踏切がなくなり、線路内への立ち入りも故意による行為などを除けばほぼなくなるとみられる。JR東日本が技術開発目標として掲げているドライバレス運転(運転士が乗務しない無人自動運転)の実現にも、大きく寄与するとみられる。