急カーブ対応のタイヤ式セグメント運搬車、横浜湘南道路のトンネル工事で国内初導入

西松建設は12月8日、急カーブでも走れる多目的運搬車両を横浜湘南道路のトンネル工事に導入したと発表した。

トンネルの工事現場を走る多目的運搬車。【画像:西松建設】

西松建設によると、この多目的運搬車両はフランスのメタリアンス社と共同で開発したもの。3両編成のタイヤ車両で、各車両はセグメント(シールドトンネルの壁面を構成するブロック)を2ピース(各20t)搭載できる。急カーブに対応したセグメントの運搬車両は国内初。

タイヤ式の多目的運搬車のイメージ。【画像:西松建設】

運転方法は五つで、「通常モード」のほか急カーブ(外輪走行半径最小12.5m)を走れる「急曲線モード」、すべての車軸が同じ方向を向いて車両全体が斜めに平行移動できる「クラブモード」、壁から一定距離の位置を常に走行するよう自動ステアリングで操作する「自動誘導モード」、すべての車軸の車輪が先行する車輪と同じ軌跡を通る「シングルトラックモード」がある。

自動誘導モードでは、合計18個のレーザーセンサーで左右の壁からの距離を計測。その値から車両の軌跡をコンピューターで計算し、その軌跡通りに走行するようコンピューターが各車両の車軸の方向を制御する。最高速度は18km/hだが、通常モード以外の各モードでは、安全に走行できる速度まで自動的に下がるという。

トンネル工事現場での建設資材の運搬は線路を仮設して小型の蓄電池機関車が台車をけん引する「レール式」もある。西松建設によると、タイヤ式はレール式に比べ、セグメントの受け取り位置合わせが難しいといった課題を抱えていたが、西松建設が導入したタイヤ式の多目的運搬車両は、自動誘導ステアリングでより正確な位置に誘導できるようになった。また、リフター下部での操作は遠隔操作により無人で進入、退出でき、運転者の安全確保を図ったという。

相鉄・東急直通線のトンネル工事現場を走る「レール式」の運搬車。小型の機関車がセグメントを積んだ台車を押して走っている。【撮影:草町義和】

西松建設は今後、遠隔操作の範囲を広げて自動運転の実現に向け取り組んでいくとしている。