東武鉄道C11形蒸気機関車「2両目」火入れ式 将来は「3重連」「会津方面の運転」も検討



C11 325の火入れ式に出席した根津社長(左)と門脇麦(右)さん。【画像:東武鉄道】

東武鉄道は12月2日、南栗橋車両管区のSL検修庫(埼玉県久喜市)でSL列車「SL大樹」の2両目のけん引機となるC11形蒸気機関車325号機の火入れ式を行った。12月26日から運用される。

東武鉄道によると、火入れ式は祝詞の読み上げや拝礼ののち、同社の根津嘉澄社長が点火棒でSLのボイラーに点火した。根津社長はSL列車「SL大樹」について「沿線地域には様々な形で温かい協力をいただき、おかげ様で『SL大樹』は日光・鬼怒川エリアの重要な観光資源に成長しました」とコメントした。

C11 325のボイラーに点火した根津社長。【画像:東武鉄道】

3両目となるC11形123号機については「復元作業を2021年冬の完了を目指して進め、3重連運転や、東北復興支援として福島県会津方面への営業運転等、様々な施策を検討していきたい」と語ったという。

火入れ式には、「SL大樹」プロモーションのイメージタレントを務める女優の門脇麦さんも参加した。門脇さんは「こういった式に参加した経験は初めてでした。私の席からは中の様子があまり分からなかったので、是非次回は近くで見てみたいです。」と語ったという。

東武鉄道は2017年8月から、鬼怒川線の下今市~鬼怒川温泉間でSL列車「SL大樹」の運転を開始。JR北海道からC11形の207号機を借り入れて運転しているが、1両しかないため検査期間やトラブル発生時は「SL大樹」を運転できない状態になる。

このため東武鉄道は、「SL大樹」の安定的な運転を目指して蒸気機関車の「増備」を検討。国鉄C11形と同タイプで江若鉄道(滋賀県)や雄別鉄道で運用されたC111蒸気機関車と、真岡鉄道(栃木県・茨城県)でSL列車「SLもおか」のけん引機だったC11形325号機を譲り受けた。

今年2020年12月26日からは蒸気機関車がC11 207とC11 325の2両体制になり、「SL大樹」の安定的な運行が図られる。一方、C111は車両番号を「C11 123」に変更して運用される計画。最終的には蒸気機関車が3両体制になる。