東京メトロ半蔵門線に新型「18000系」来年度デビュー 有楽町・副都心線17000系に準拠



東京地下鉄(東京メトロ)は9月30日、半蔵門線に新型車両の18000系電車を導入すると発表した。来年度2021年度の上半期にデビューする。

半蔵門線に導入される18000系のイメージ。【画像:東京メトロ】

車体や機器の構成・仕様は、有楽町線・副都心線の新型車両17000系電車(2021年2月営業運転開始予定)と共通点が多い。車内外のデザインは一部異なる。

半蔵門線で現在運転されている8000系電車や08系電車の「端正な表情」(東京メトロ)を受け継ぎ、直線的なヘッドライトを採用。車端上部にフリースペースの案内を掲示し、車椅子・ベビーカー利用者がフリースペースを見つけやすいようにする。

車内は半蔵門線の路線カラーの色彩をベースにデザイン。車両の連結面や座席横の仕切り、荷棚に透明な強化ガラスを採用して車内の開放感を高めるという。

18000系の車内イメージ。【画像:東京メトロ】

座席は従来の8000系より幅を30mm拡大して460mmに。表地は消臭・抗菌・抗ウイルス加工を施す。また、すべての車両にフリースペースを設置。車両の床面も8000系より60mm低くし、車両とホームの段差を縮小。ドア出入口下部の形状をホーム側に傾斜させる。

全車両に設置されるフリースペース。【画像:東京メトロ】
床を低くしてホームとの段差を縮小する。【画像:東京メトロ】

動力装置は、高効率な永久磁石電動機(PMSM)とシリコンカーバイド(SiC)素子を用いた制御装置を採用。従来の8000系より消費電力量を削減する。

安全・安定性の向上を図るため、脱線時に自動で列車を停止させる脱線検知装置を搭載。総合指令所などから走行中の車両の機器の状態をモニタリングする車両情報監視・分析システム「TIMA」も導入する。

走行中の車両の機器状態をモニタリングするTIMAのイメージ。【画像:東京メトロ】

半蔵門線は、渋谷~押上間16.7kmを結ぶ東京メトロの地下鉄路線。渋谷駅で東急電鉄の田園都市線、押上駅で東武鉄道の伊勢崎線(東武スカイツリーライン)と接続し、3社間の相互直通運転を行っている。

半蔵門線は1978年の開業当初、東京急行電鉄(現在の東急電鉄)の電車のみ運用されていたが、1981年に帝都高速度交通営団(営団地下鉄、現在の東京メトロ)8000系がデビュー。190両(10両編成19本)が製造された。2003年には08系もデビューし、60両(10両編成6本)が導入されている。

半蔵門線の開業から数年後にデビューした8000系。【撮影:草町義和】
2003年にデビューした08系。【撮影:草町義和】
18000系との共通点が多い17000系。2021年2月から有楽町線・副都心線で営業運転が始まる予定だ。【撮影:鉄道プレスネット編集部】

18000系は2021年度上半期より順次、190両(10両編成19本)が導入される計画。同じ車両数で老朽化が進む8000系を置き換える。半蔵門線に乗り入れている東急田園都市線でも新型車両の2020系電車の導入が進んでおり、従来車両の8500系電車が同線から順次引退している。