秋田臨海鉄道が初の一般公開イベント 創業50周年の貨物鉄道会社、来年3月に事業終了



秋田臨海鉄道とJR東日本秋田支社は9月11日、秋田臨海鉄道の創業50周年記念イベント「秋田臨海鉄道特別公開2020」を10月に共同開催すると発表した。秋田臨海鉄道が一般公開イベントを実施するのは、創業以来初めてという。

秋田臨海鉄道の貨物列車。【画像:秋田臨海鉄道】

開催日は10月17・18日の計2日。参加に際しては、秋田・仙台・盛岡・新潟の各駅を発着する旅行商品を購入する必要がある。秋田駅発着の日帰り旅行商品の場合、秋田駅から秋田港行きの臨時列車に乗車。奥羽本線の土崎駅から定期運転の旅客列車が運行されていない貨物支線に入り、秋田臨海鉄道線と接続している秋田港駅に向かう。臨時列車の秋田発時刻は、Aコースが9時17分頃、Bコースが12時16分頃、Cコースが15時33分頃発になる。

秋田港駅に到着後、秋田臨海鉄道に所属する機関車の撮影会、コキ50000形コンテナ車の見学、検修庫や秋田港駅コンテナホームの見学などが行われる。旅行代金は「サンキュー50年」にちなんで大人が3950円。子供は3750円になる。

JR東日本グループの旅行会社「びゅうトラベルサービス」では、9月11日16時から新潟発着の1泊2日コースの発売を開始。秋田・仙台・盛岡の各駅を発着するコースは9月16日の10時から発売する予定だ。

秋田臨海鉄道は1970年4月21日、国鉄と秋田県、荷主企業の出資により設立された貨物鉄道会社。翌1971年7月7日に貨物線の北線・秋田港~秋田北港間2.5kmと南線・秋田港~向浜5.4kmが開業した。北線は現在運休中で、現在は南線のみ貨物列車が3往復設定されている。

近年はトラック輸送へのシフトや鉄道貨物輸送を利用する企業の減少で、輸送量が大幅に落ち込んでいた。秋田臨海鉄道は来年2021年3月に事業を終了し、解散することを決めている。