東京メトロのホームドア、8割近くの駅で整備完了 段差・隙間の縮小も進む



東京地下鉄(東京メトロ)はこのほど、8月末時点の各駅のホームドアやエレベーターなどの整備状況を明らかにした。ホームドアは8割近くの駅に整備され、未設置の駅は37駅となった。

九段下駅の東西線ホームで行われたホームドア設置工事(2017年)。【撮影:草町義和】

東京メトロによると、ホームドアは帝都高速度交通営団(営団地下鉄)時代の1991年、全148駅中6駅(整備率4%)のみ。営団地下鉄が民営化され東京メトロになった2004年時点でも、全168駅中15駅(15%)だった。2008年頃から整備が本格的に進み、今年2020年8月末時点では全180駅中143駅(79%)に。残る未設置駅は37駅となった。

ホームドアの設置が完了した路線は、銀座線と丸ノ内線、千代田線、有楽町線、南北線、副都心線の6路線。日比谷線は22駅中3駅、東西線は23駅中9駅、半蔵門線は14駅中9駅で整備が完了している。東京メトロは全駅へのホームドア設置に向け、引き続き整備を進めていくとしている。

東京メトロのホームドア整備状況の推移。【画像:東京メトロ】

エレベーターの整備も進んでいる。ホームから地上までエレベーターで移動できるルートが一つ(1ルート)確保されている駅は、今年8月末時点で173駅(整備率96%)。東京メトロは1ルートに加え、エレベーターによる乗換ルートや複数ルートの整備も引き続き進めているとしている。

このほか、車椅子利用時のスムーズな乗り降りを図るため、車両の低床化やプラットホームのかさ上げなどを実施。これによりホームと車両の床の段差を縮小した。ホーム先端部にくし状のゴムを設置してホームと車両の隙間を縮小する工事も、7路線の77駅で完了したという。