2020年7月豪雨の影響で一部区間が運休中の肥薩おれんじ鉄道線(熊本県・鹿児島県)について、同線を運営する肥薩おれんじ鉄道は8月3日、運休区間のうち佐敷~水俣間の運転を8月8日に再開すると発表した。全線再開はおおむね3カ月後(11月頃)を見込んでいる。
肥薩おれんじ鉄道線は、八代~佐敷~水俣~川内間の116.9kmを結ぶ路線。豪雨の影響で線路に土砂が流入するなどの被害が発生し、いまも熊本県内の八代~佐敷~水俣間49.6kmが運休中だ。8月8日には九州新幹線との連絡駅である新水俣駅を含む佐敷~水俣間19.8kmが再開し、代行バスの運転区間も八代~佐敷間29.8kmに縮小される。
肥薩おれんじ鉄道によると、被災したのは施設関係74カ所と電気設備16件。このうち施設4カ所と電気設備3件は、土砂・倒木の撤去や機器の交換などが完了した。ほかに施設31カ所と電気設備4件は、道床の陥没の埋め戻しなど応急作業が完了。それ以外に被災した施設や設備も順次、一部を除いて復旧に向けた工事が始まっているという。
同社はおおむね3カ月後の全線再開を見込んでいるが、復旧工事の進展や調査中の被災場所の状況によって再開時期が左右される場合もあるとしている。