アジア「人と鉄道」写真展 バングラデシュ・ミャンマー・ベトナム・スリランカ



写真家の米屋こうじさんによる、「アジアの人と鉄道」をテーマにした写真展「鉄道幻風景」が7月29日から富士フイルムイメージングプラザ東京(東京都千代田区)で始まった。

屋根までびっしりと客が乗っているバングラデシュの列車の写真と米屋さん。【撮影:米屋こうじ/会場撮影:草町義和】

バングラデシュとミャンマー、ベトナム、スリランカの鉄道で、2018年から今年2020年1月にかけて米屋さんが撮影した40点弱の写真が展示されている。

圧巻はバングラデシュの列車の写真。機関車とその後方の客車まで、屋根の上に「客」がびっしりと乗っている姿が映し出されている。首都のダッカからイスラム教の巡礼祭が行われる郊外に向かう人たちを運ぶため列車が運転されているが、輸送力が圧倒的に不足しており、こうした光景が繰り返されている。

展示されている写真は鉄道の写真だが、鉄道の車両や施設だけを写したものは少ない。地方の駅の構内で球技に興じている子供たちなど、そのほとんどは現地の人たちの生活が線路や鉄道車両と一緒に描かれている。

米屋さんは「『鉄道の写真』だと、鉄道が好きな人にしか伝わらない。特に海外の鉄道は好きな人が限られている。人を絡めたほうが多くの人に伝わるのではないかと考えた」と話す。「それに、車両をメインにした、いかにも鉄道写真らしい写真は撮りたくなかった。そんなにときに思いついたのがアジアの鉄道だった。アジアの鉄道は人という“写材”であふれている」という。

これらの国でも新型コロナウイルスが猛威をふるっている。米屋さんは「写真に撮った人たちは元気だろうか。ちょっと気になる」と話した。

「鉄道幻風景」の開催期間は7月29日~8月24日(火曜日を除く)。時間は10時から19時まで(最終日は14時まで)。

40点弱の写真が展示されている「鉄道幻風景」。【撮影:米屋こうじ/会場撮影:草町義和】