JR九州は7月21日、2020年7月豪雨の影響で運休中の3線のうち、鹿児島本線・久大本線の今後の運転再開の見通しなどを発表した。鹿児島本線は8月3日までに全線が再開する見込み。久大本線は8月中に運休区間を縮小する見通しがついたが、全線再開の時期は示されていない。
鹿児島本線は、熊本県内の長洲~植木間(玉名~肥後伊倉間の土砂流入など)と鹿児島県内の川内~隈之城~串木野~鹿児島中央間(上伊集院~広木間の土砂流入など)が運休中。ただし川内~隈之城間は同線に乗り入れている肥薩おれんじ鉄道の車両を使用し、7月20日から本数を大幅に減らして運転を再開している。
JR九州によると、7月27日から串木野~鹿児島中央間での運転を再開するとともに、川内~串木野間で代行バスの運転を開始。8月1日に川内~鹿児島中央間での運転再開を予定している。8月3日には長洲~植木間の運転も再開する予定だ。
久大本線は、大分県内の日田~豊後森~由布院~庄内~向之原間が運休中。このうち由布院~庄内~向之原間では7月14日から代行バスが運転されている。今後は8月8日に日田~豊後森間の運転を再開する予定。8月末には庄内~向之原間の運転を再開する予定だ。豊後森~由布院~庄内間の再開見通しは示していない。
JR九州が7月20日時点で把握した全線の被災件数は730件で、7月12日時点より385件増えた。増加分はすべて肥薩線の八代~真幸間(熊本県・宮崎県)で発生しており、復旧の見通しは立っていないという。この影響で同区間を含む八代~吉松間(熊本県・宮崎県・鹿児島県)の運休が続いている。
JR九州が7月20日時点で把握した各線の被災件数は次の通り。
鹿児島本線:26件
久大本線:145件
肥薩線:450件(7月12日時点から385件増)
日豊本線:29件
長崎本線:13件
長崎本線(長与経由、長崎旧線):7件
豊肥本線:7件
筑豊本線:2件
香椎線:1件
篠栗線:2件
筑肥線:4件
指宿枕崎線:8件
大村線:11件
吉都線:2件
佐世保線:4件
日南線:15件
九州新幹線:4件