東急池上線の池上駅あすから橋上駅舎に 東急線唯一の「改札内踏切」が消滅



東急電鉄は本日7月18日限りで、池上駅(東京都大田区)の改札内で線路と交差する「改札内踏切」の使用を終了する。駅の改良工事と駅ビル開発工事の進展によるもの。

池上駅の改札内踏切(2010年)。【撮影:草町義和】

東急電鉄によると、7月19日からは改札口を2階に変更して橋上化。北口と南口の使用を開始し、1階にある現在の改札口と改札内の踏切を廃止する。駅ビルは本年度2020年度内のオープンを目指し、引き続き工事を進めるという。

池上駅は1922年に開業。2面2線の相対式ホームで、駅舎は北側の1番線ホーム(蒲田方面)に隣接して設けられた。駅舎・1番線ホームと2番線ホーム(五反田方面)は、改札内に設けられた踏切で結ばれている。

東急線にはかつて、改札内の踏切で改札口とホームを結んでいた駅が複数あったが、跨線橋の設置や駅舎の橋上化、線路の高架化や地下化で減少。池上駅が唯一、改札内踏切の設置駅になっていた。

2017年、駅舎の改良工事と駅ビルの開発に着手。翌2018年には仮駅舎の使用を開始し、旧駅舎が解体された。駅の南側から五反田方面の列車に乗る場合、従来は駅の外にある踏切を渡って北側の駅舎に向かい、改札を入ってから構内踏切を渡って2番線ホームに向かう必要があった。2階改札口の使用開始で南口から2番線ホームに向かうことができるようになり、踏切を渡る必要がなくなる。

改札内の踏切は消滅するが、大井町線の等々力駅と九品仏駅は上下線の線路のあいだに駅舎を設けており、駅舎の改札口と外の道路は踏切で結ばれている。

※追記(2020年8月13日):記事の配信時は「構内踏切」という語句を「改札内に設けられた踏切」の意味で使用していましたが、大井町線の等々力駅と九品仏駅には改札外ながら駅構内といえる場所に踏切が設置されており、池上駅にある改札内の踏切と混乱しやすいため、タイトルや本文中で使用している「構内踏切」を「改札内踏切」などに変更しました。