秋田の由利高原鉄道が貸切列車の運賃を75%引き 「一人貸切」でもタクシーより安く



由利高原鉄道(秋田県由利本荘市)は7月1日から、貸切列車の割引サービスを始める。自治体の補助金を活用するもので、所定の貸切運賃の75%引きで利用できる。

鳥海山ろく線を走る由利高原鉄道の気動車。【撮影:草町義和】

定期運転の列車に貸切用の車両を連結する「通常貸切」の所定運賃は、片道1両で2万4000円。割引サービスを利用すると6000円で、往復1両貸切(所定3万36000円)も9000円になる。

普段は定期運転の列車が走っていない時間帯に貸切列車を運転する「臨時便貸切」も、大幅に割引。片道1両貸切(所定3万6000円)が9000円、往復1両貸切(所定6万円)が1万5000円で利用できる。

車内には飲食物を持ち込めるほか、カラオケも可能。追加料金を払えば由利高原鉄道が飲食物を準備する。申し込みは乗車日の2週間前まで受け付けており、割引サービスを利用する場合は「助成金を使用する旨」を伝える必要がある。

由利高原鉄道は、羽後本荘~矢島間23.0kmの鳥海山ろく線を運営する第三セクター。非電化単線のローカル線だ。割引サービスは秋田県と由利本荘市からの補助金を活用して実施する。実施期間は定められていないが、補助金がなくなり次第、予告なく終了するという。

羽後本荘駅から矢島駅までタクシーを利用する場合、1万円以上はかかるとみられ、「臨時便貸切」で列車を一人で貸し切ってもタクシーと同程度か、若干安くなりそうだ。由利高原鉄道は貸切列車の楽しみ方として、車内でのパーティーや趣味のオフ会、ぜいたくな一人旅などの使い方があるとしている。