叡山電鉄700系「リニューアル4両目」年内に運用開始へ 9月に工事見学会



叡山電鉄(京都市)は8月18日、700系712号のリニューアル車を今年2022年内に運用開始すると発表した。これに先立ちリニューアル工事中の712号の見学会「叡山電車リニューアル車両と阪神電車尼崎車庫見学ツアー」を9月に実施する。

リニューアル工事に入る前の712号。【画像:叡山電鉄】

712号のリニューアルでは、車体前面の鋼板を厚くするほか台枠下部覆い(スカート)を新設して安全性を向上。車内照明やヘッドライト、行先表示器などをLED化して使用電力の削減を図る。また、座席を含む内外装の更新を実施。車椅子・ベビーカースペースの設置や座席カラーの変更による優先座席の明確化も行う。リニューアル工事は阪神電鉄子会社の阪神車両メンテナンスが行っている。

見学会は9月18日の9時30分~11時30分と13時30分~15時30分の2回。712号のリニューアル工事が行われている阪神電鉄尼崎車庫(兵庫県尼崎市、阪神本線尼崎駅から徒歩6分)で実施される。リニューアル工事の様子を見ることができるほか、阪神電鉄の車両の洗車機通過体験、塗装機の見学、トラバーサー体験なども行われる。

定員は各回20人で旅行代金は大人7500円・子供6500円。申込みは阪神ステーションネットのウェブサイトで8月22~28日に受け付ける。当選者発表は8月30日。

700系は1987年にデビューした叡山電鉄の電車。同社の車両としては初めて冷房装置を搭載した。車体両側に運転台があり通常は1両で運用されている。1988年までに8両が導入されたが、製造から30年以上が過ぎたため順次リニューアルが進められている。

リニューアル工事中の712号。【画像:叡山電鉄】

まず2018年、700系のうちデオ730形の732号が観光用車両「ひえい」として大規模な改造が施されて2018年にデビュー。2019年から2020年にかけデオ720形の722号と723号がリニューアルされた。4両目のリニューアルとなる712号はデオ710形。

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