釧網本線「SL冬の湿原号」リニューアルして2021年度以降も運転



JR北海道は2月10日、釧網本線のSL列車「SL冬の湿原号」について、引き続き運転すると発表した。合計4億円かけてリニューアルする。

釧網本線のSL列車「SL冬の湿原号」。【画像:中村昌寛/写真AC】

2021年度はC11形蒸気機関車171号機の全般検査(車両をほぼすべて分解して細部まで行う検査)と14系客車の内装リニューアルを実施し、年度末に運転。2022年度も客車内装のリニューアルを行い、年度末に運転する。

C11 171の全般検査では、ボイラーを大阪の業者に搬送して修繕・性能検査を行う予定。14系客車は内装のほか発電用エンジンの交換も行う。このエンジンは1972年と1980年に製造されたもので、すでに製造中止されたもの。このため修繕を行うための部品が入手できず、新しいエンジンへの交換が必要という。

費用はC11 171の全般検査が1億円。客車は内装リニューアルが2億円で、発電用エンジンなど老朽化した機器類の交換に1億円かかる。

客車のリニューアルについては「お客様のご要望を反映した車両のさらなる魅力アップのため」行うとし、2号車(カフェカー)は旧型客車のレトロな雰囲気を損なわないようリフレッシュを行うという。

「SL冬の湿原号」は2000年1月8日から運転を開始したSL列車。通常は釧網本線の釧路~標茶間で冬季に運転されており、1940年製のC11 171が14系客車5両編成をけん引して走る。1列車あたりの乗車人員は2007年度が152人で、2017~2019年度は200人台だったが、本年度2020年度(1月23日~2月7日)は151人に。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け減少している。

JR北海道は「当社は厳しい経営状況ではありますが、地域の皆様からのご要望、また当社としても道内唯一のSL観光列車を守るため」として、「SL冬の湿原号」を引き続き運転することにしたという。