銀座線が渋谷駅の新ホーム使用開始に向け異例の長期運休 何がどう変わる?



東京地下鉄(東京メトロ)は12月28日から2020年1月2日まで、工事のため銀座線の渋谷~表参道間と青山一丁目~溜池山王間を運休する。この工事で渋谷駅は従来のホームを閉鎖。再開初日の1月3日から新しいホームの使用を開始する。

12月27日限りで閉鎖された銀座線・渋谷駅の旧ホーム。【撮影:草町義和】

東京メトロは期間中、半蔵門線や千代田線など迂回(うかい)ルートとなる路線の利用を呼びかけている。また、東京メトロ全線や都営地下鉄全線、JR線や私鉄各線の一部区間で振替輸送を行っている。

運休区間と迂回ルート。【画像:東京メトロ】

銀座線の渋谷駅はJR線の渋谷駅と立体交差しており、東急百貨店の3階に乗車ホームと降車ホームを分けて設置。改札口も乗車専用と降車専用に分かれている。ホームが狭くて混雑しやすく、さらに構内が複雑な配置になっていて乗り換えが分かりづらいなどの問題を抱えていた。

そのため渋谷駅とその周辺を再開発するプロジェクトの一環として、2009年から大規模改良工事に着手。ビルの手前にある明治通り上に乗り降り共通の新しいホームを設置することになった。これに伴い、作業スペースの確保や線路の移設などが順次行われており、これまでにも2016年と2018年に2~3日の日程で一部区間の終日運休を行った。

3回目となる今回の終日運休は、大都市部の鉄道の運休期間としては、災害などのトラブルを除くと異例の6日間におよぶ。これにより銀座線ホーム移設の最終的な工事がほぼ完了し、2020年1月3日の始発から新ホームの使用を開始する。

従来のホームは乗車ホームと降車ホームがそれぞれ3.5mで合計7mだったが、新しいホームは幅が約12mの乗り降り共通ホームが一つ設けられるため、混雑の緩和が期待される。さらに乗り降り共通の改札口も設置され、乗り換えの分かりにくさがある程度改善されるとみられる。

新しいホームのイメージ。【画像:東京メトロ】
新ホームへの乗り換えルート。【画像:東京メトロ】

このほか、JR線の渋谷駅でも大規模改良工事が進行中。現在は山手線の内回りホームと外回りホームがあり、さらに山手線ホームの南寄りには埼京線や湘南新宿ラインが停車するホームが設けられているが、工事が完成すると山手線が内回り・外回り共通のホームになり、埼京線や湘南新宿ラインのホームは山手線ホームの隣に移設される。