西武鉄道の特急電車「NRA」富山へ 初代「レッドアロー」に続き富山地鉄へ譲渡か



西武鉄道の10000系特急型電車「ニューレッドアロー(NRA)」が、あいの風とやま鉄道線の魚津駅(富山県魚津市)に輸送されることが、10月11日までに分かった。同駅付近の鉄道路線を運営する富山地方鉄道(富山地鉄)に譲渡されるとみられる。

新101系(左)と連結した状態で所沢駅に留置されている4両編成の「NRA」(右)。富山県の魚津駅に向かう。【撮影:鉄道プレスネット編集部】

魚津駅に輸送されるのは、「NRA」の第10102編成と第10106編成(いずれも7両編成)の車両を使って組成された4両編成。10月10日の深夜、通勤車両の新101系電車(4両編成)にけん引され、10月11日早朝までに小手指車両基地から所沢駅(埼玉県所沢市)に移動した。

この4両は10月11日以降にJR武蔵野線の新秋津駅(東京都東村山市)に搬入され、ここからはJR貨物の機関車がけん引する貨物列車(甲種輸送列車)として出発。JR線を走って10月12日以降には魚津駅に到着するとみられる。

所沢駅で出発を待つ「NRA」。4両編成に組み直されている。【撮影:鉄道プレスネット編集部】
「NRA」は新101系にけん引されてJR武蔵野線の新秋津駅に向かい、その先はJR貨物の機関車にけん引されて魚津に向かう。【撮影:鉄道プレスネット編集部】

「NRA」は1993年から2003年にかけ84両(7両編成12本)が製造され、西武池袋線の特急「ちちぶ」や西武新宿線の「小江戸」などで運用されてきた。昨年2019年から新型特急車両の001系電車「Laview(ラビュー)」が導入されたのに伴い、西武池袋線の特急列車の運用から離脱し、一部の車両が引退した。魚津駅に輸送される4両は、いずれも引退した車両だ。

西武池袋線を走っていた頃の「NRA」。【撮影:草町義和】

西武鉄道や富山地鉄は「NRA」の譲渡・譲受について、明らかにしていない。昨年2019年12月に富山地鉄がまとめた移動円滑化取組計画書によると、「老朽化した車両を(中略)2020年度に1編成、バリアフリー化された中古車両に更新する」としている。

初代「レッドアロー」の5000系(左)と10000系「NRA」(中央)、001系「ラビュー」(右)。【撮影:未来鉄道データベース運営部(K)】
富山地鉄に譲渡された5000系(16010形)。写真の第2編成は観光列車「アルプスエキスプレス」としてリニューアルされた。【撮影:草町義和】

富山地鉄は1995年にも、初代「レッドアロー」の西武鉄道5000系特急型電車を譲り受けており、16010形電車に改造して運用している。一部の車両は観光列車「アルプスエキスプレス」の専用車両としてリニューアルされた。