N700系を置き換えるN700系「N700S」7月1日デビューに向けシウマイや漫才とコラボ



東海道新幹線のN700系電車J編成(N700S)が7月1日にデビューするのに向け、JR東海は記念商品の販売や記念コンテンツの展開などを企画している。

7月1日にデビューするN700S。【画像:しろがね/写真AC】

N700Sは7月1日時点で量産車64両(16両編成4本)が導入される。同日にN700Sで運転される列車は発表されていない。新型車両の見物や初乗り目当ての客が多数集まることが考えられることから、JR東海は新型コロナウイルス感染拡大の原因とされる「3密」を防ぐため、事前の発表は行わない方針だ。

一方、翌7月2日以降に運転するN700Sの列車は、同社の公式ツイッターアカウント「東海道新幹線(東京~新大阪)運行情報」(@JRC_Shinkan_jp)で運転前日に公開する予定という。

また、N700Sのデビューを記念して、さまざまな企業や著名人とのコラボ企画を実施する。

横浜のシウマイメーカー「崎陽軒」とコラボした「N700Sデビュー記念弁当」は、7月1~3日と8月1~3日の各期間、1500個限定で販売。パッケージは葛飾北斎「富嶽三十六景」をモチーフに波の中を突き進むN700Sを浮世絵タッチでデザインし、崎陽軒の弁当で名物になっているしょう油入れ「ひょうちゃん」も、今回限りの特別仕様にするという。販売価格は1500円で、電話による事前予約で購入可能だ。

このほか、名古屋土産のえびせんべい「ゆかり」とコラボしたN700Sデビュー記念デザインの特別パッケージ(1382円、8月上旬から販売予定)や、三輪そうめんの老舗「池利」とのコラボによる「そうめん新幹線」「そうめんドクターイエロー」(各1500円、来年2021年3月31日まで販売予定)も発売される。

N700Sをテーマにしたコンテンツも公開。M-1グランプリ2019で優勝した若手漫才コンビ「ミルクボーイ」とのコラボによるオリジナル漫才を制作し、7月1日から9月30にまでYouTubeなどで配信する。

N700Sデビュー記念冊子「JR東海からの挑戦状」も、7月1日から9月30日まで東海道新幹線の駅や列車内、リニア・鉄道館などで配布。人気キャラクター「おしりたんてい」とコラボした内容だ。

宣伝はテレビCMやポスターを使って展開。テレビCMは英国のロックバンド「Queen」の楽曲「Don’t Stop Me Now」を使い、7月1日から東海道新幹線沿線エリアで流す。

今回デビューするN700Sは、N700系のX編成やG編成(N700Aタイプ)に続く新型車両。2018年に確認試験車のJ0編成が完成。同編成による走行試験を経て、今年2020年3月には最初の量産車が完成した。

左右両端にエッジを立てた「デュアルスプリームウィング形」を先頭部の形状に採用してトンネル微気圧波や振動の軽減を図り、さらに揺れを抑えるフルアクティブ制振制御装置を一部の車両に搭載し、乗り心地の向上を図っている。

さまざまな路線で運用できるよう、4両や6両、8両などの短い編成を組めるよう機器を配置。高速鉄道を運営する内外の鉄道事業者への外販のほか、リニア中央新幹線開業後の利用者減少が想定される東海道新幹線の減車にも対応できるようにしたとみられる。

普通車はすべての座席にコンセントを設置。リクライニングシートは背もたれと連動して座面が沈み込むようにして動き、疲れにくい構造にしたという。グリーン車も読書灯の照射範囲の拡大や、肘掛け収納タイプのテーブルの拡大、フットレストの大型化などの改善を図っている。

今後JR東海はN700Sの増備を進め、老朽化したN700Aタイプの更新を進める方針。N700系でN700系を置き換える格好となる。