広島東部の山陽本線高架化で工事協定締結 まず向洋駅付近、完了は10年後



JR西日本・広島県・広島市の3者はこのほど、山陽本線と呉線を高架化する広島市東部地区連続立体交差事業(連立事業)で、1期区間の工事基本協定を締結した。まず向洋駅付近の高架化工事に着手する。

連立事業の位置。向洋駅付近が1期区間(赤)で、海田市駅付近は2期区間(緑)になる。【作成:鉄道プレスネット編集部/国土地理院の地図を加工】

この連立事業は、海田市駅(海田町)と向洋駅(府中町)を含む山陽本線の約3.9kmと呉線の約1.2kmを高架化して踏切16カ所を解消するもの。このうち向洋駅付近の約2.0kmが1期区間で、昨年2019年5月の都市計画変更を経て同年10月に事業認可された。

広島県と広島市によると、1期区間の工事基本協定は今年2020年6月18日付けで締結。協定額は約447億円で、JR西日本が約29億円、広島県が約249億円、広島市が約169億円をそれぞれ負担する。JR西日本が鉄道の工事と設計業務を担い、用地補償と側道などの整備は広島県と広島市が行う。事業完了は約10年後の2031年3月の予定だ。

残りの海田市駅を含む山陽本線約1.9kmと呉線約1.2kmは2期区間で、2032年度完了の予定。1・2期全体の事業費は概算で総額約915億円(関連街路の整備を含む)と見込まれている。