両備グループ代表が地方公共交通「緊急対策」を提言 新型コロナで経営悪化



一般財団法人地域公共交通総合研究所の小嶋光信代表理事(両備グループ代表)は4月7日、新型コロナウイルスの影響で厳しい経営にさらされている地方の公共交通について、補助制度の新設などを求める「緊急対策」を提言した。提言のおもな内容は次の通り。

両備グループの岡山電軌が運営する路面電車。【撮影:草町義和】

・特別補助金の新設(減収の補助)
・燃料税や消費税、固定資産税などの減免
・地域間交通の維持・確保に向けた補助金要件の緩和
・バスターミナルや駐車場、港湾施設などの使用料の減免
・感染症予防対策の導入・実施に対する補助
・従業員に感染者が確認された場合の優先的な医療措置
・風評被害対策の実施

小嶋代表理事によると、両備グループが運営する生活交通事業は現在の状況が続いた場合、4~9月の今後半年間で前年比16億円の減収に。経常損益は12億円の赤字に転落する見込みだ。

また、地方交通事業者の8割以上はもともと赤字経営。黒字事業者も運営路線の8割が赤字で「地方交通を維持するには虚弱な経営体質」という。小嶋代表理事は「収入額の4割程度に相当する経常損失を持ちこたえるのは極めて困難」としている。

両備グループは岡山市に本社を置く両備グループホールディングスを中核企業とする公共交通会社のグループ。岡山市内の路面電車(岡山電気軌道)や路線バス(両備ホールディングス 両備バスカンパニー=両備バス)、岡山~小豆島間のフェリー(両備フェリー)のほか、和歌山県内の鉄道路線(和歌山電鐵)なども運営している。