宗谷本線の観光列車「花たび そうや」ヘッドマーク装着、弁当やスイーツ提供



JR北海道は2月13日、宗谷本線で運転することが計画されている観光列車の臨時急行「花たび そうや」について、現在取り組んでいる計画の概要を発表した。5月から6月にかけて運行される。

「花たび そうや」に装着されるヘッドマークのデザイン。【画像:JR北海道】

「花たび そうや」は5月8~17日の金・土・日曜(6日間)に旭川~音威子府間で「1・2号」が運転される計画。5月22日~6月7日の金・土・日曜(9日間)は「3・4号」として音威子府~稚内間で運転される。

キハ40系気動車を観光列車向けに改造した「山紫水明」シリーズ(2両編成)を使用。先頭には「利尻富士」や天塩川、塩狩峠をイメージした「山あいの木々」などをデザインしたヘッドマークを取り付ける。

地元の料理教室「GRACE CUISINE」(グレイスキュイジーヌ)の協力により、車内で弁当(1・3号)やスイーツ(2・4号)を提供する「食事付き乗車プラン」も販売。JR北海道が現在運行している観光列車では初めての試みという。弁当は「沿線の味覚をふんだんに使用」し、スイーツも沿線の素材を利用して提供する。

「花たび そうや」は全車指定席の急行列車として運転され、乗車には乗車券のほか急行券・指定席券が必要。食事付き乗車プランは個人向けと添乗員が同行する団体向けがあり、びゅうトラベルサービスや阪急交通社などおもな旅行会社が販売する。

宗谷本線は旭川~稚内間の259.4kmを結ぶ鉄道路線。国土交通省の統計資料などによると、1日1kmの平均通過人員(旅客輸送密度)は2003年度が1038人だったのに対し、2016年度は689人まで落ち込んでいる。区間別(2018年度)では旭川~名寄間が666人、名寄~稚内間が436人だ。

利用者の減少が続き経営が厳しいことから、増収策の一環として「花たび そうや」のような観光列車の運行が計画されたが、観光列車の運行だけでは抜本的な改善策にならないとみられる。JR北海道は旅客輸送密度が500人未満の区間について、自社単独での維持は困難としており、沿線自治体の支援を求めている。

JR北海道の観光車両向け気動車「山紫水明」シリーズのイメージ。【画像:JR北海道】
宗谷本線の美深駅で発車を待つ普通列車。【撮影:草町義和】