東武「SL大樹」C11 207・325の2機体制12月26日から 江若鉄道「C111」は「C11 123」に



東武鉄道は11月6日、真岡鉄道(栃木県)から譲り受けたC11形蒸気機関車325号機の復元整備が終了し、12月26日から運用すると発表した。整備が遅れている、もと江若鉄道(滋賀県)のC111蒸気機関車は、車両番号を「C11 123」に変更して復元するこも決めた。

12月26日から運用されるC11 325。【画像:東武鉄道】

C11 325は12月26日の「SL大樹2号」から運用。JR北海道から借り受けているC11 207とともに蒸気機関車2機体制となり、年間を通して日光・鬼怒川エリアでSL列車を楽しめるようになるという。また、C11 325の運用に先立つ12月6日には「2020東武プレミアムファンツアー第1弾」と題し、南栗橋車両管区内でC11 207・325の重連運転の撮影や乗車体験などを行うツアーが実施される予定だ。

現在は蒸気機関車がけん引するSL編成とディーゼル機関車がけん引するDL編成の各1本だが、12月26日から来年2021年1月11日までの期間中8日間は、SL編成2本で運転。「大樹1~8号」がすべて蒸気機関車のけん引になる。これ以降はC11 207が約半年の検査に入るが、C11 325による土曜・休日を中心としたSL運転を継続。検査が終わる2021年夏以降、日光・鬼怒川エリアでSL列車の毎日運転実施を計画している。

C11 207がけん引するSL列車「SL大樹」。【画像:東武鉄道】

一方、復元整備が難航しているC111蒸気機関車は、車両番号を「C11 123」に変更することが決まった。東武鉄道によると、今年2020年11月1日に同社が創立123周年を迎えたことや、日本国内では唯一の「同一形式3機体制」の動態保存となることから、「1→2→3(ホップ、ステップ、ジャンプ)と将来に向かって更なる飛躍を車両番号で表現」するとして、車両番号を変えることにしたという。

C11形は国鉄のタンク式蒸気機関車だが、C11形の設計をベースにした私鉄向けの蒸気機関車も製造されており、C111(C11 123)も1947年、C11形ベースの江若鉄道向け蒸気機関車として製造された。1957年以降は北海道の雄別鉄道と貨物鉄道の釧路開発埠頭を経て引退。2018年に東武鉄道が譲り受けた。

復元作業中のC111(C11 123)。【画像:東武鉄道】

東武鉄道は当初、C11 207に続いてC111を導入して2機体制にする計画だったが、整備が難航。あとから譲受が決まったC11 325が先に運用されることになった。C11 123は来年2021年冬頃の整備完了が予定されている。

C111がC11 123を名乗ることになったため、番号としては国鉄のC11形123号機と重複することになる。国鉄のC11 123は1937年の製造。当初は名古屋エリアで運用されており、のちに北陸エリアを経て北海道へ。1950年代末期に実質引退したとみられ、1963年に廃車された。